今回の株式下落は、リーマンショック級と考えます。VIX指数(恐怖指数)が、160%以上上昇し、65.66ポイントは驚くべき数字です。リーマンショック時は、90ポイントまで上昇したこともあり、そのようなショック安と考えます。
事の発端は、日銀会合とFOMCです。おそらく、日銀が政策金利を0.25%に引き上げただけならば、ここまで急ピッチな円高、株安は進まなかったことでしょう。植田総裁の記者会見で、データ次第では更なる利上げを示唆する発言から、円高・株安が進んだように思います。それに加え、数時間後のFOMCで9月利下げを確定する内容だったことから、ドル売りが加速、円高・日本株安になったようです。
今までは、市場参加者の大半が、インフレ抑制によるFRBの利下げと予想していたものが、先週末の米雇用統計の結果で、米国経済減速懸念が浮上し、世界的な株安につながったようです。昨日のISM非製造業景況指数が、市場予想を上回ったことで、VIX指数は30ポイント台まで低下し、ドル円が146円台まで回復しました。そのことが、本日の日経225の反発につながったようです。つまり、ここ最近の円高は、有事の円買いなのかもしれません。
ただし、全てにおいて、まだ安心できません。日経225や大証金の証拠金が大幅増額しています。この意図は、相場を安定化、冷静化にするためと考えます。証拠金変更が、相場の反転を意味するといった単純なものではなく、それだけ証拠金増額すると、新規参入が減少することになります。そういったこともあり、いずれ相場はある水準で落ち着くと思いますが、もうしばらくボラティリティは高いように思います。
相場が反転しやすくなるには、証拠金減額です。そうなると、余裕資金が生まれ、新規買いしやすくなります。ご注意ください。
大証白金は、やはりNY市場で910ドル台まで下落してきました。900~920ドルまで下落する可能性があるため、先週はリバンドの買いを全て撤退としました。結果として、500円以上下落したことになります。一番プラチナで懸念することは、世界景気動向です。株安は、ストレートにプラチナへダメージを与えます。そのように考えると、腰を入れて買う相場ではないということです。むしろ、戻れば(反発)再度売られやすいことを意識しておくべきでしょう。
相場は、流れです。繰り返しになりますが、需給にしがみついてはいけません。なぜならば、世界情勢によって、価格によっては変化するからです。米景気減速懸念が浮上している現状で、買いを考える大口投機家は僅かです。景気減速懸念を相場に織り込むか、時間で消化しない限り、上昇というより反発しか今は考えられません。
大証金と日経225に関しては、もう少しコメントを控えます。