過剰に反応したドル円、円高に敏感な日本市場。17:51

 141円を割り込む円高に動いてきました。相場のポイントとして、常に為替が重要としてきました。ただし、先週末の米雇用統計後は、141.75円~144円のレンジで動くと予想していましたが、本日の日銀中川審議委員の発言、米大統領選に向けたテレビ討論会で、141円を割り込むドル安・円高に動きました。

 日銀の中川審議委員は、本日10時30分ごろに、現在の実質金利は極めて低い水準であり、2%の物価目標が実現するようならば、金融緩和の度合いを調整していくことになるとタカ派的な発言をしました。(利上げを示唆する発言)

一方、米大統領選に向け、トランプ前大統領とハリス副大統領のテレビ討論会が、日本時間午前10時から行われました。ハリス氏は、トランプ氏に対し大恐慌以来最悪の失業率を残したと指摘し、トランプ氏は、バイデン政権下でインフレが継続したと反論しました。おそらく、市場はどちらが米大統領になっても、米景気後退懸念があると予想しているのでしょう。

このテレビ討論会後、今月0.5%利下げ確率が35%(前日27%)に上昇、これがドル安・円高を招いているように思います。

 相場の軸だけはブレないようにしましょう。市場は、ソフトランディング(軟着陸)なのか、それともハードランディング(硬着陸)なのかだけを見極めています。そのため、今月の利下げ幅が0.5%=ハードランディング(景気後退)、0.25%=ソフトランディング(景気後退なく安定成長)で、ドル円が変動していると考えます。ただし、ドル円の流れは、日米の金融政策の方向性です。

 当然、FRBは利下げ、日銀は利上げの構図になっているため、ドル安・円高に動きやすいのは事実です。それ以外でも不安材料が出ますと、ドル売り・円買いが出やすくなります。いずれにしても、引き続き為替に注意が必要と考えます。繰り返しになりますが、為替の流れが変わることはないでしょう。(円高の方向性は常に意識)

しかしながら、本日のドル円は過剰に反応しすぎているように思います。

 本日21時30分には、CPI(消費者物価指数)コア指数の発表があります。市場予想範囲内ならば、特に材料視する指標ではありません。既にインフレ鈍化していると市場は予想しています。ただし、市場予想に対し大きく変化するようならば、ドル円は思惑で上下ブレることでしょう。結果を見守りたいと思います。

 いずれにしても、FOMCが次のビックイベントです。ここで重要なのは、ドットチャートです。2024年末と2025年末の政策金利が、市場の思惑と比べどれだけの誤差があるかによって、ドル円は修正することになるでしょう。現時点では年末までに1~1.25%利下げを市場は予想しています。来年も1~1.25%利下げを予想しているようです。

 一旦円高が止まるとするならば、FOMCです。ただし、FRBがさらにハト派的ならば、9月の段階で140円を割り込むことも考えられます。『山高ければ、谷深し』です。

【大証金】

 やはり、大証金は売られる展開となりました。昨日のサイトでは、短期トレンドが下向きである中、上値ポイント水準であるため、上昇相場ではなく、レンジ相場を意識するようにとお伝えしました。ちなみに、本日の会員サイトでは、予想レンジの下限を引き上げました。

 未だ、短期トレンドは、緩やかな下向きです。しかし、本日の終値で、前日安値11487円を上回ったことは、それなりに評価して良いと考えます。

 ちなみに、逆張りで買いをエントリーした場合、前日安値を上回れなかったら、当日決済をお勧めします。前日安値を上回って終えたのならば、買い玉そのまま維持とし、ストップロスを前日安値以下に設定するのが良いでしょう。この繰り返しです。

 順張りで買いをエントリーするのは、前日高値を上回って終えたのを確認し、夜間取引寄付が良いと考えます。この場合のストップロスも前日安値を下回った場合です。(基本は終値ベース)個々でトレードの仕方が異なりますが、必ずどちらに動いても慌てないようにイメージしておきましょう。

【大証白金】

 大証白金は、昨日NY時間で少し期待したのですが、やはり円高には勝てませんでした。私は、売りたい強気です。つまり、大証白金が反発したところを売りたいと考えております。なぜならば、繰り返しになりますが、円高は大証白金の上値を重くさせるからです。ドル円の方向性は変わっておりません。

 短期で考えるならば、NYプラチナ940ドル、ドル円141円台で、大証白金を弱気するつもりはありません。NYプラチナは、数日以内に反発すると予想しています。チャートの形が徐々に良くなってきています。しかも、需給見通しは堅調であるため、NYプラチナが下落するとは思えません。大口投機家もなかなか売り叩けないように思います。ちなみに、同筋は、2日間で4000枚近く買い戻しているように思います。ただし、まだショートカバー不十分と考えます。あとは、銅価格次第と考えます。

 ドル円は、少し過剰に反応したように思え、仮に140円を割り込んだとしても、今のタイミングでは続かないように思います。いずれは、〇〇〇円の円高はあると予想していますが、そこに向けては時間をかける必要があると考えます。

 よって、近い将来反発があると予想しています。仮に予想通り動いた場合は、NYプラチナ価格を意識したうえで、売りを考えたいと思います。

【日経225】

 日経225は、円高の影響で売り叩かれました。しかし、会員サイトでは、35500円割れがあれば、試し買いと提案。ただし、終値で前日安値を上回れなければ、当日決済とお伝えしました。残念ながら、前日安値を上回ることはできませんでした。

 これが相場のリズムです。相場のリズムは、戻り売りの流れになっていることになります。8月5日のように下落一辺倒はショック的なものであり、市場が冷静になると下落一辺倒にはなりません。リスクを覚悟することができるのならば、逆張りの意識で買いを考えるのも良いでしょう。ただし、反発は欲張らず、利食いするのが良いでしょう。

昨日もお伝えしたように、上昇のリズムになるまでは時間が必要です。

 

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