本日の反発で売り物が出るのは仕方ありません。昨日もお伝えしたように、前日安値を下回ったということは、前日買った投資家が評価損になったということであり、反発場面ではヤレヤレの売りが出やすいということになります。
昨日は、米国経済指標が多数ありましたが、その中で4月の生産者物価指数(PPI)は、市場予想を大幅に下回ったことで、利下げ期待からドル円は145円台まで値を沈めました。ただし、年内2回の利下げには変化がなく、やはり来週20日~22日のG7までは、円安に動きにくいのかもしれません。(少なくとも市場は、米国から日本が円安是正を求められるのではとの思惑が未だ浮上しているようです。)
昨日、パウエルFRB議長は、『より頻繁で、潜在的により持続的な供給ショックの時期に突入している可能性がある。これは経済と中央銀行にとって難しい問題だ』と指摘し、金融政策アプローチを再検討するとのことです。又、FRBはインフレショックに先手を打つ計画をより明確にする戦略的アプローチへと移行しつつある可能性も示しました。
この内容を受け、私個人的には、年内2回の利下げを行うのか、正直疑問です。なぜならば、トランプ関税をかなり重要視しているからです。ちなみに、FRBの既定路線は、年内2回利下げ見通しです。6月会合では、ドットチャートが公表されます。
※トランプ関税は、これからも継続する不確実性要素であり、無かったことにできないのがマーケットの原理です。つまり、10%の一律関税や、25%の自動車・鉄鋼などの輸入関税、中国からの輸入関税24%分は90日間停止というように、過去の相場は参考になりません。
【大阪金】
大阪金は、予想以上に反発しましたが、やはり上値の重い展開になりました。昨日お伝えしたように、200円幅で機械的に買い下がった方は、反発場面で利食いを意識し、対処するようにお願いいたしました。基本は、買い方針ですが、NY金が5月14日に3200ドルを割り込んだということは、それまでの3200ドルから3500ドルへの上昇を否定したことになり、ここからが新たな相場と考えるべきでしょう。
しかも、ロシアとウクライナとの和平交渉は、16日に延期したことも、NY金の上値を重くさせる要因と考えます。ただし、プーチン大統領、ゼレンスキー大統領は交渉に参加しないとのことで、大きな進展は望めないとの発言が相次いでいます。
こちらのチャートは、大阪金日足になります。トランプ大統領が、輸入関税を発言したのが2月1日からであり、関税相場が始まったのは2月3日からと考えます。当然、関税以外の材料も豊富であるため、上がったり下がったりはしますが、方向性を確認するうえで重要な期間と考えます。
私は、常に世界各国がトランプ関税を意識し、財政拡張していることが『金』の支援要因とコメントし続けてきました。そのことから各国中央銀行が、コンスタントに金を購入しているのも事実です。しかも、中央銀行は長期的に保有します。
〈再び上記チャートをご覧ください。〉
相場を分析するうえで、大陰線は重要になります。(当然、大陽線も重要)なぜかというと、昨日15日の大陽線で市場が弱気したことを示しているからです。市場が弱気したところを一緒に弱気する必要はありません。しかし、その反面、買い方がマイナス評価になっているのも事実です。そうなると、簡単に大陰線を大陽線がはらむことは無いと考えるべきでしょう。つまり、本日の反発は、一部利食いということになります。
〈利食いできなかった方〉
200円幅で機械的に買い、利食い損ねた方は、そのまま維持とします。ただし、資金配分は十分に考慮してください。そのうえで、再び200円幅を機械的に買い拾いとします。もし下がらないようならば、それはそれで良しとしましょう。
トレードするうえで、①資金配分を考慮②買い下がっていい銘柄か判別③いくらの値幅で買い下がれば良いか判断④機械的に指値を有効に使う⑤ロウソク足の意味を認識することが重要です。私が、今まで繰り返し伝えてきたことになります。
〈相場は2月よりも3月、3月よりも4月〉
トランプ関税の影響は、2月よりも3月の方が悪化しており、3月よりも4月の方が悪化しております。つまり、リスクヘッジとして買われやすい『金』にとってみれば、2月よりも3月が高くなり、3月よりも4月が高くなることは、当然シナリオと考えます。ただし、4月よりも5月は緩和したことを考慮すると、当面5月高値を更新することは困難と考えるべきでしょう。
よって、会員サイトで述べているように、短期レンジと中期レンジを意識した中で、基本買い方針で臨みます。
【大阪白金】
大阪白金は、やはり上値の重い展開になりました。昨日も指摘したように、前日安値を下回って終えたことで、上昇にはしばらく時間が必要と考えます。ただし、中国筋はコンスタントにプラチナ現物を買っているように思います。そのため、昨日のコメント時では、プラチナ現物価格は978ドルでしたが、今現在17:50では989ドルと、やはり980ドルを下値支持線にしております。これは、中国筋の現物買いが入っているからだと考えます。
こちらのチャートは、大阪白金日足になります。先ほど、大阪金でも述べたように、トランプ関税が材料視し始めた2月3日から5月16日までの期間になります。
『プラチナ』の場合は、『金』と異なり、根強い需要はありません。むしろ、工業品用途が高いため景気に敏感な商品であると言えます。こちらのチャートを見ていただくとお分かりになると思いますが、2月より3月、3月よりも4月が安くなっております。先ほども大阪金でコメントしましたが、5月はトランプ関税緩和により当然4月よりも高くなることは理解できます。ただし、2月、3月高値まで上昇する期待はできません。仮に、トランプ減税策が法案で可決されれば話は変わってきますが・・・。
〈2月・3月と異なる点〉
先ほども述べましたが、トランプ関税は2月よりも3月の方が悪化しております。ただし、2月、3月と異なる点は、やはり中国筋のプラチナ現物買いだと考えます。2月、3月は、あまり目立った買いは入っていませんでしたが、4月7日以降、コンスタントに買っているように思います。そのことが相場の下支え要因になっていると考えます。ただし、投資資金がNY市場に流入しない限り、NYプラチナのレンジは980ドル~1000ドルが予想され、ドル円次第になってしまいます。
〈現在18:00時点の現物価格とNY価格の関係〉
現在のプラチナ現物価格は989ドルに対し、NYプラチナ価格は986ドルとなっております。昨日もお伝えしたように、ほとんど投機筋は動いていないように思います。繰り返しになりますが、プラチナ現物市場は実需筋メイン(現物のみ)、NYプラチナ市場は投機筋メインです。
よって、引き続き4450円~4650円レンジをイメージした上で、買いスタンス継続とします。4600円台への期待は、正直ドル円の反発を考慮した数字になります。
【日経225】
日経225は、やはり上値が重く推移した一方で、5月限SQ値37572円を維持して終了しました。常に、私が繰り返しお伝えしている数字は、私がコメントしなくとも意識しておいてください。
こちらのチャートは、日経225日足になります。正直、良くここまで反発したなと思っております。4月10日には90%の確率で底打ちしたと判断しましたが、36500円辺りが急所と予想していました。ただし、トランプ関税は、4月よりも緩和したものの、2月、3月よりは悪化しているため、38000円台は買われにくいようにも思えます。
しかしながら、日本企業決算がほぼ一巡し、自社株買いを発表した企業は少なくなかったことで、その買いが下値をサポートになる可能性はあります。
よって、当面は狭いレンジを意識しながら、〇〇〇〇〇円では売り狙いしたいと思います。
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