プラス、マイナス要因で、結果プラスマイナスゼロになっただけ。17:53

 28日に米国際貿易裁判所が出した相互関税など差し止め命令について、米連邦巡回区控訴裁判所は29日に、その執行を一時停止する判断を下しました。そのため、ドル円、日経平均共に27日の水準まで下がる結果となりました。(米国際貿易裁判所が差し止め命令を下としても、他の手段でトランプ関税を継続させることができるようです)

ただし、ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、トランプ米政権は最大15%関税を150日間賦課できる措置を検討しているようです。つまり、90日間から150日間に延長する可能性があります。おそらく、思ったほど各国との交渉が進展していないのかもしれません。

そして、29日にトランプ大統領とパウエルFRB議長がホワイトハウスで会談しました。トランプ大統領は『FRBが金利を下げないのは間違いである』と指摘した一方で、パウエルFRB議長は『慎重かつ客観的で、政治的ではない分析のみに基づいて、金融政策を決定する』考えを伝えたようです。

 ちなみに、会談後のフェドオッチによる年内2回利下げ(0.5%)確率は、ほとんど変化していませんでした。つまり、今でも年内2回利下げが有力視されております。

 ドル円は、143円台まで下落しましたが、いずれ早い段階で146円~150円に浮上すると予想しております。それも、トランプ関税緩和の影響ではなく、日米金融政策による自然の動きをイメージしています。

〈相場に対する心構え〉

 相場は、必ず必然的な動きをします。それを素直にとらえずに、色々考えすぎると、チャンスを逃すと同時に、大きな損失につながります。今一度、なぜ大阪金は15000円台まで上昇してきたのか、なぜ大阪白金は4700円を維持しているのか、なぜ日経225は38000円付近での動きを継続しているのか、改めて考え方を整理するのが良いでしょう。

 相場は、一番初めに気づいた人が、その恩恵を得ることができます。今回のトランプ関税ショックで、4月7日に誰が買いだと思いましたか?ほとんどの人が弱気したと思います。そこを敢えて買った人が大きな利益を得ることができ、『底を打ったけども、下がったら買おう』と思った人は、買えずに指をくわえて見るしかなかったと思います。チャンスだと思ったときは、失敗を恐れず、試し買いをしてみるのも必要です。安値を付けた後に、その安値で買いたい人は、多数の投資家です。つまり、その安値まで下がらないケースや、仮にその安値まで下げた場合もう一段安になるケースが考えられます。

 相場を一喜一憂せずに、常に指摘しているように、例えば、上昇したらハッピー、下落したらチャンスだと思えるよう計画性を持ったトレードをしていきましょう。当然、休むのも相場です。

 私は4月7日会員サイトで、パニック売りになっているため、資金に余裕のある方は買い方針とお伝えしました。会員様でも買えなかった方は多かったと思いますが、チャンスだと思えば1枚でも買ってみるのが良いと考えます。『もうはまだなり、まだはもうなり』です。

【大阪金】

 大阪金は、軟調な動きを見せました。未だレンジ相場のままとなっております。若干期待していたのですが・・・。

 本日会員サイトでは、15300円台は買い拾われやすいとコメントしました。新規買いした方は、当然前日安値をストップロス(終値ベース)のターゲットにするか、それとも値幅で買い下がれるだけの余力で維持するか、個々の投資スタイルでお願いいたします。

 私は、以前から4月の上昇相場は意識せずに、レンジを想定し買い主体で臨むのが良いとコメントしてきました。こちらのチャートをご覧ください。

 こちらのチャートは、上がNY金日足、下が大阪金日足になります。赤枠で囲んでいる日が、格付け会社ムーディーズが米国債を最上位から格下げしたことを受けたロウソク足になります。以前からお伝えしているのは、このロウソク足です。何かが起こってのロウソク足は、効力を発揮します。仮に、そのロウソク足を下回った場合は、別の要因が発生したことを意味します。

 全てのロウソク足を知る必要はありませんが、なぜNY金は下がらないのか、若しくは上がらないのかをご自身で考えてみるのが重要と、私は思います。※過去のブログを見ていただくと理解できます。

 引き続き、15300円~15600円レンジでの買い主体で臨むのが良いでしょう。利食いは自由です。仮に利食いできずに、ポジションを保持している場合は、同水準で買うのはやめましょう※ポジション管理は必要です。

※米国減税法案は、財政拡張を意味します。私自身、買い要因と考えます。

【大阪白金】

 大阪白金は、終始軟調な動きを見せました。昨日と一転して、まとまった売りが出てきました。本日昼頃に500枚以上の成行売りが出ていたように思います。しかも、午後に入ると、まとまった売り指値が出ていました。

 昨日のコメントでは、本日終値で4780円を上回ることができるか重要とし、上回るようならば来週もう一段高も考えられる一方で、仮に上回れなかった場合は今までのレンジ(4600円~4850円)下限のみ引き上げて考えると述べました。結果的に上回ることができなかったため、レンジ下限を4650円ー4700円に引き上げ、上限は4850円で考えたいと思います。

 私が買いスタンスと述べているのは、4700円台で一部利食いしたからと言って、4700円台で買うのではなく、今あるポジションをもう一段高期待して保持するというスタンスのことを表します。※短期売買は別です。

〈NYプラチナ価格と現物価格の関係性〉

 17時20分時点のNYプラチナ価格1076.3ドルに対し、現物価格は1077.5ドルで推移しています。このことから現物価格は堅調に推移していますが、NYプラチナは過熱していないように思います。天底を打つ場合は、必ず現物価格に比べ大幅乖離します。

 昨日は円高に動きにくく、現物価格の暴落も予想できないため、大きく崩れることは無いとコメントしました。しかしながら、冒頭で述べた材料により、ドル円は143円台まで下落し、NYプラチナの上値も重くなり、大阪白金は4750円を割り込むことになりました。

〈少々分解してみましょう〉

 昨日17時から本日17時で、ドル円は1円30銭下落し、現物価格は1ドル安。つまり、大阪白金は、ドル円換算で45円安であり、現物価格1ドル安により5円安ということになります。そのように考えますと、昨日17時の4790円から50円マイナスの4740円が妥当価格と考えます。しかし、今、その水準を上回っているということは、そこまで市場が悲観していないということになります。

しかも、米裁判所の動向は、結果的に27日の市場マインドに戻っただけであり、そもそも悲観する要素ではありません。

よって、引き続き買いスタンス継続とします。

【日経225】

 日経225は、冒頭で述べた材料により、円高が上値を抑えた格好となりました。昨日のコメントでは、38000円前後でサポートすると予想していましたが、37720円まで下げたため、会員様や毎日閲覧している方に関しましては、仮に新規買いした場合は、来週月曜日終値で37710円を下回った場合のみ決済するのが良いでしょう。

 逆張り=買い下がりはロスカットよりも値幅と資金配分重視ですが、順張り=トレンドフォローの場合はロスカットと買うタイミングを意識するのが良いでしょう。

 

当サイトは、商品先物取引に関して、私共の個人的な相場観を書いております。数字や予測値も個人的な見解です。本ブログの内容は、私共が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成しておりますが、その正確性・安全性を保護するものではありません。売買は必ず、ご自身の判断で行ってください。

その他の貴金属銘柄記事