トランプ関税の影響で、NY貴金属先物市場に買い集中。17:58

 トランプ大統領は12日、自身のSNSでEUとメキシコからの輸入品に、8月1日から30%の相互関税を課すと明らかにしました。

 トランプ大統領による関税率の書簡が送られたことで、インフレ懸念が再来しています。そのため、FRBの利下げ期待が後退し、ドル円は146円~148円レンジでの動きになっております。そして、NY貴金属先物市場が大幅上昇しました。

 明日15日は、米CPIコア指数の発表があります。市場予想と、今後の見解については、下記URLをご参考にしてください。

https://first-traders.com/metal/17910/

【大阪金】

 大阪金は、16000円台を回復してきました。先週末の会員サイトでは、一段高も意識しながら、15900円台からは一部利食いを提案しました。しかも、上昇過程であるため、買い玉すべて利食いせずに、一部残すこともお伝えしました。

 繰り返しになりますが、各国の財政拡張が『金』のサポート要因となり、関税によるインフレ懸念が上振れを誘ているように思います。それに過熱感がないため、まだ突込みは買い拾われやすいと予想します。つまり、前日安値を意識し、買い拾うのが良いでしょう。

 ただし、早い段階で前回高値16171円を上回り、更に反発した場合は、一旦全ての買い玉を利食いするのが良いと考えます。

【大阪白金】

 大阪白金は、本日堅調な動きを見せました。トランプ関税の影響からNY貴金属先物市場が大幅反発しました。NY銀、NYパラジウムも同様、先週末は一気に上昇しました。

〈NYパラジウムが底上げ要因〉

 先週末は、NYパラジウムが85ドル以上上昇したことで、NYプラチナも57ドル上昇しました。つまり、現状で考えると、NYプラチナ価格をNYパラジウム価格が上回れるとは思えません。ただし、それぞれの現物価格は冷静な動きを見せていました。そのため、大阪市場も大幅上昇という動きではありませんでした。

〈プラチナの上昇〉

 繰り返しの話になりますが、5月からのプラチナ上昇は、中国宝飾品業者の金からプラチナへの方向転換が要因と考えられます。そのため、プラチナ現物価格1435ドル、大阪白金6319円まで一気に上昇しました。ただし、先週8日以降は、トランプ大統領の関税率の書簡によりNY先物市場に買いが集中したように思います。今年1月末と同様な動きを見せております。常にお伝えしていますが、現物価格が基準です。

〈下げにくい、ただ買いは一切考えない〉

 プラチナ相場は下がりにくくなっております。下がる兆候が、未だ見られません。そのため、私は売りの話も一切していません。勿論、買いは考えていません。私が、買いを考えていない理由として、①トランプ関税により景気減速懸念②5月に比べて4割増しの価格③NY市場上昇でも冷静な現物市場などが挙げられます。

 トランプ関税による不確実性が払しょくされたわけではなく、依然として景気減速懸念がくすぶっております。相場が上昇し続けるには、現物売りが縮小する一方で、高値でも需要が増加し続けることです。供給不足だからと言って、上昇し続けるわけではありません。その価格でも需要が増加し続けることで、相場は上値を追い続けるわけです。世界の動きを見ましても、景気を下支えするのがやっとのように思います。その中で、さらに上昇し続けるとは思えません。

しかしながら、相場が下落しないということは、まだそのような時期ではないということになります。

 そのように解釈しますと、今は相場の動向を注意深く観察する必要があると考えます。よって、引き続き様子見とします。

 ちなみに、17:35時点のNYプラチナ価格は1459ドル、プラチナ現物価格は1396ドルで推移しています。NYパラジウム価格は1309ドル、パラジウム現物価格は1232ドルで推移しています。毎日観察していますと、この変化に気づくことができます。

【日経225】

 日経225は、上値の重い展開となりました。トランプ関税の影響や、参院選を前に動きにくいように思います。

 先週末にも指摘しましたが、40000円を上値の抵抗とし、戻り売りで臨むのが良いと考えます。つまり、ストップロスは40000円です。40000円というのは、7月限SQ値であり、一つの相場目安になります。

 よって、会員サイトも参考にしていただき、戻り売り方針とします。

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