〈2次関税、中国・インドが対象〉
トランプ大統領は14日、ウクライナ侵略を続けるロシアが50日以内に停戦合意しなければ、ロシアに制裁を科すと表明。ロシアから石油やガスなどを購入した第三国に100%の関税を課す「2次関税」を実施するとのことです。中国やインドなどが対象になると見られています。
〈TACOトレード=楽観〉
昨日も米国株3指数が堅調な動きを見せました。先週から各国にトランプ大統領が関税率の書簡を送ったにもかかわらず、市場は楽観的にとらえているようです。最近よく聞かれる「TACOトレード(トランプ氏は常にビビッて退く)」が、株式相場を高値圏に押し上げたようです。市場が楽観し続けると、その後波乱が起きる可能性は否定できません。
〈市場注目の米国CPIコア〉
本日、21時30分に米国CPIコア指数の発表があります。市場予想は、前月比0.3%上昇(前回0.1%上昇)、前年同月比3.0%上昇(同2.8%上昇)となっており、既にインフレを警戒しています。繰り返しになりますが、市場予想通りであればドル円146円~148円、市場予想を上回るようならば148円~150円、市場予想を下回るようならば144円~146円で推移すると考えます。
【大阪金】
大阪金は、本日も堅調な動きを見せました。昨日も述べたように、過熱感が見受けられません。そのため、前日の安値を意識し、買い拾うのが良いと考えます。ただし、高値16171円を上抜き、上げ足を速めたのならば、全て利食いを考えるのが良いでしょう。
相場は、時間軸と値幅が重要になります。時間をかけての上昇と、時間をかけずに上昇は、意味合いが異なります。
よって、高値は見送り、突っ込み買い拾いを継続し、16171円を上抜いてからは、利食いのみ意識したいと思います。
【大阪白金】
大阪白金は、やはり堅調な動きを見せました。昨日の米国市場は、先週上昇したNY市場が修正し、NYパラジウムも現物・先物市場で下落したことから、プラチナ現物価格が下押ししたようです。昨日も述べたように、やはり現物価格は冷静だったようです。
〈基本〉
繰り返しになりますが、大阪白金は現物価格とリンクしますが、NY価格とはリンクしません。そのため、相場を分析する上で、NY市場の動きを把握する必要はありますが、現物価格を意識しないと、誤った解釈になります。仮に、現物価格が動いていない時は、NYプラチナ先物価格の動向を注視するだけで良いと考えますが、今年5月以降は現物価格がメインで上昇しており、現物市場の動向を考えるべきでしょう。
大きく市場を分けますと、現物市場、先物市場、ETF市場になります。現物市場は、多額の資金が動いています。先物市場は、ヘッジをメインとした市場です。
〈未だ方向性定まらぬ〉
以前にもお伝えしましたが、現物価格1350ドル以上での推移は、当然のことです。なぜならば、1350ドル近辺で中国筋がある程度現物を買ったからです。現物価格1350ドル~1400ドルの範囲内ならば、あまり考える必要はありません。大阪白金で言えば、為替の影響があるものの6000円~6200円です。
相場が動き出したと判断するには、NY先物価格と現物価格との価格差が縮小し(10ドル以内の縮小)、尚且つ1400ドルを維持した場合。若しくは、今の価格差で現物価格が1325ドル~1350ドルをハッキリと下回った場合のみと考えます。あくまでも現物価格が強いか、弱いかを判断することが重要です。
ちなみに、17:06時点のNYプラチナ価格は1414ドル、現物価格は1377ドルとなっております。未だ37ドルの価格差があります。
〈買いは一切考えない理由〉
昨日も述べましたが、私自身買いは一切考えておりません。仮に6500円まで大阪白金が上昇したからといって、考え方は変わりません。その理由を再度お伝えしますが、①トランプ関税により景気減速が考えられる②5月に比べて4割増しの水準まで上昇している③高値を買う理由は、現物が必要であることと、景気が上向きであるときと考える④相場上昇は供給不足だけではなく、需要が堅調に推移する必要がある。などが挙げられます。
つまり、トランプ関税が継続している中、高値を買い続けることに関しては、かなり疑念を抱きます。ただし、全て価格が教えてくれるため、未だ下落しないということは、供給よりも需要が勝っているということになります。(若しくは、マーケットの環境です)
〈私が指摘しなくとも注意すること〉
私が指摘しなくとも①前日安値・高値、当日終値②NYプラチナ価格と現物価格との価格差③先ほども述べたように、現物価格の水準は必ずチェックしておきましょう。毎日チェックすることで、相場の変化に気づくこともあります。それに加えて、上海市場の出来高を確認するのが良いでしょう。上海市場は現物取引のみになります。
【日経225】
日経225は、意外に堅調な動きを見せました。本日10時52分に、日経225が39600円台まで反発したのは、人工知能向け半導体で圧倒的なシェアを占めるエヌビディアは、中国向けに設計されたAIアクセラレータ「H20 」製品について、対中輸出再開を予定していると発表しました。しかも、米政府から対中輸出を許可する確約を得たとの報道が伝わったためです。
日経225は、昨日も述べたように40000円をストップロスとし、戻り売り方針継続とします。会員サイトでも昨日から述べていますが、本日の反発で新規売りが成立した方もいたと思います。
参院選の投票を控え、市場は買いにくい動きとなっております。しかも、トランプ関税の影響も起こりやすいため、今は売りで対処していきたいと思います。