昨日パウエルFRB議長は、全米企業エコノミスト協会で行った講演で、『(一部省略)雇用者数の伸びが急激に鈍化している』と指摘し、年内残り2回会合で利下げを2回行う想定を示しておりました。しかも、FRBが保有資産を縮小する『量的引き締め(QT)』を近く停止する可能性も示しました。
このことから、ドルが売られ、ドル円は151円を一時的に割り込み、金価格は高値更新となりました。米国株式市場は、米中貿易摩擦の影響もあって、ナスダックとS&P500は若干売られました。
全て、金融市場には追い風になっているようです。特に、金に関しては以前から伝えているように『売る要因・売る理由』がありません。
【大阪金】
大阪金は、10月に入ってから既に1gあたり2000円以上上昇しております。半月で10%以上上昇したことになります。しかし、何を言っても金の下がる理由は見当たりません。昨日もコメントしたように、下がる要因を無理やり探すのであれば、上昇要因が解消された場合になることでしょう。ただし、金の場合は、最大の下値サポート要因である世界的な財政拡張が継続している限り、大きく崩れることはないでしょう。
いったん利益確定しますと、なかなか買いたい価格・水準まで下げてくれません。ただし、本日日中取引の終値が前日高値20717円を上抜けたため、本日夜間取引から明日日中取引は高いと連想する必要があります。しかも、17時始値は20822円であり、本日15時45分終値は20733円と、20734円~20815円に相場の窓(ギャップ)があるため、すぐに埋めることはないでしょう。仮に、この窓を完全に埋めた場合は、買い玉を決済するのが良いでしょう。リスクの線引きをしておかない限り、大きな揺さぶりに巻き込まれる可能性がありますので、投資資金の中で余力をもってトレードするのが良いでしょう。
※今となれば、5%は1050円、10%は2100円の変動、15%は3150円の変動と、今後当たり前のように動くことでしょう。
【大阪白金】
大阪白金もとうとう8000円まで上昇してきました。正直、ここまでの上昇は予想できませんでした。ただし、本日の相場動向を見ましても、金に200~250枚の成行買いが入ると、白金にも150枚ほどの成行買いが入っていたように思います。
今の大阪白金は、海外市場の動きがどうのこうのというより、半分近く国内要因で動いているように思います。つまり、金が上昇するから白金も買う動きが、国内でも起きているということです。そのリズムが崩れていないため、相場は上がりやすくなっております。しかも、相場上昇時の売るといった行為は、新規売りならば弱く、買い玉の利食い売りならば、再び買われるといったように、買い手市場であるということです。
〈パラジウムの動向について〉
しかも、パラジウム現物価格は1550ドルまで上昇し、NYパラジウム価格は1606ドルで推移しています。(17:25時点)ちなみに、プラチナ現物価格は1665ドル、NYプラチナ価格は1698ドルで推移しています。パラジウム価格が、上昇していることもあって、プラチナ市場もマイナス圏では買い拾われやすくなっております。
NYパラジウム市場を見ますと、どうやら投機筋が新規買い、つまり買いポジションを増やしているように思います。もともと、NYパラジウム市場においては、投機筋が4012枚の売り越し(9月16日時点)でした。それが、9月16日終値から既に412ドル(34%上昇)上昇していることもあり、当然売りポジションはある程度解消していると思いますが、今では投機筋が新規で買っているように思います。これが、完全に買い越しになっているのならば、一旦パラジウム市場に利食い売りが入りやすくなると思います。ただし、まだ売り越しのままであれば引き続き買い拾われることでしょう。(米政府機関閉鎖が解除されない限り詳細は不明です。)
※繰り返しになりますが、相場のポイントは、24日米CPI、29日国内貴金属新甫発会、30日未明FOMC、30日日銀金融政策決定会合のように思います。そのビックイベント以外で、仮に利食い売りが出たとしても、再び買い拾われるように思います。
【日経225】
日経225は、やはり簡単に下落する相場ではないようです。今は中立で見るしかありません。しかも、高市自民党総裁が、21日予定されている臨時国会で総理大臣に選ばれるか、選ばれた後の株価の動きが、先週の『高市トレード』が復活するのかも確認する必要があります。
いずれにしても、まだ崩れる相場ではないと思いますが、上昇し続けるとも思えません。そのため、短期売りを意識する場合は、必ず前日高値を上回って終えた場合、売り玉を一旦決済とし、利食いは短期で行うのが良いと考えます。