常に、慌てず冷静に。18:20

 来月、喜ばしくない重大報告を致します。

 

 昨日の米雇用統計は、9月の段階で非農業部門雇用者数は11.9万人増加(市場予想5.0万人増加)と市場予想を上回ったものの、失業率が4.4%(同4.3%)と悪化したため、12月0.25%利下げ確率が35.4%(前日30.1%)に上昇し、ドル高・円安一服となりました。

ただし、10月以降の米雇用統計はFOMC前に発表されないため、ハマック米クリーランド連銀総裁(FOMC代替メンバー中立派)が『現時点での利下げは市場価格水準を歪める恐れがある』、バーFRB理事(中立派)も『リスクバランスをとるため、金融政策には慎重である必要がある』などのように、12月利下げの可能性は低いと考えるべきでしょう。

そのことが、金融市場の重荷になっていると考えます。以前から述べているように、10月相場は記憶から削除した上で、計画性をもってトレードする必要があります。

ましてや、ボラティリティは依然と高いままです。安心は危険です。

【大阪金】

 大阪金は、21000円台から上値の重い展開になっております。おそらく、12月利下げ期待が後退したため、金現物価格も4100ドルが維持できなくなっているように思います。

ここで考えるべきは、9月17日と10月29日FOMC後のゴールドの動向です。

こちらのチャートは、ゴールド現物の日足になります。①は9月FOMCです。そこで、年内2回中2回の利下げを予想し、来年1回利下げを予想したことで、②ゴールド価格は買い進まれました。当然、それだけではありませんが。

ただし、私が再三伝えていた③10月17日の大陰線が、それまでの上昇相場にブレーキ役となり、市場を冷静にさせたと考えます。④は10月FOMCです。10月に0.25%利下げしたことで、再び4200ドル台まで浮上しましたが、12月FOMCで利下げに慎重な姿勢を見せており、上値が重くなっていると考えます。

 つまり、⑤をもう一度試す可能性があります。3900ドル前後です。そのため、以前から伝えているように20000円は下値抵抗であるものの、買いを考えるのであれば17000円台まで下げても良いポジション取りをする必要があると考えます。

【大阪白金】

 大阪白金もやはり上値の重い展開になりました。以前から伝えていますように、①10月20日大阪市場にて大陰線が上昇相場のブレーキ役②11月から中国でプラチナ・プラチナ製品に13%付加価値税を課すことで、中国需要減少③価格が高すぎるなどが、上値を抑えているように思います。

 プラチナは、工業品用途が高いため、投資需要が盛り上がったとしても、工業品需要が減少する可能性はあり、ゴールドとは異なり、底堅い展開になりにくいと考えます。今はプラチナ現物価格1500ドル、大阪白金7000円が下値抵抗になっていますが、中国需要が停滞すると、1500ドルを下回る可能性は、いくらでもあります。

10月にプラチナ現物高値1734ドル、大阪白金高値8250円まで上昇したため、今の価格が安く感じますが、10月相場は異常であったことを意識しておきましょう。相場の動向に慣れる必要はありますが、マヒしてはいけません。

もうしばらく、慎重に見ていきたいと思います。

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