米トランプ大統領は、何を考えているのか私には理解できません。それとも、メディアに振り回され、自ずとトランプ大統領像を勝手に作ってしまっているのかもしれません。いずれにしても、その方が大国の主であるならば、その発言・その行動を無視せずに、トランプ大統領相場に適応させるしかないのでしょう。22日、米トランプ大統領は、中国製品に高関税を課す制裁措置を正式に表明し、貿易摩擦への警戒感が高まり、NYダウが700ドル以上売られました。(トランプ大統領は中国が知的財産権を侵害しているとして「最大600億ドルの中国からの輸入製品に高関税を課す」と表明した。)一方、中国側は強く反発して報復措置を検討しており、世界的な「貿易戦争」の引き金になるとの懸念が一段と高まっています。そのことが、金融市場のマインドを低下させました。
唯一、堅調に推移しましたのは「金」だけのように思いました。ドル指数が安値を更新したわけではなく、ドル円が心理的な節目であります105円を割り込んだことから、一層円が買われ104.60円台まで売り叩かれることとなりました。一昨年11月9日の米大統領の開票で付けたドル円の水準まで売られてきたことになります。やはり、トランプリスクは、消え去っていなかったという事になります。今後ともトランプリスクは、継続しそうです。そうしますと、やはり東京金だけは売りにくくなります。円高圧力が強いため、東京金の上値は重いと考えておりますが、他金融商品と同じ感覚で考えない方が良さそうです。4500円どころは弱気しにくい。
一方、米中の貿易摩擦により、中国の米国へ対する大豆輸入が減少する可能性があります。中国は、年間9000万トン以上輸入に頼っていることから、その輸入先を米国から南米にシフトする可能性があります。そうしますと、当然米国産大豆の価格は低下し、それにつられるように米国産トウモロコシの価格も安価になると考えられます。
今回の米トランプ大統領の決断は、金にとっては買われやすい要因になりますが、トウモロコシにとっては売られやすい要因と考えております。このポジションは、維持していきたいと思います。
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