多少の円安は、市場に安心感を与える。17:54

本日午前10時半ごろに岸田首相が自民党総裁不出馬との報道や、午前11時にニュージーランド準備銀行が政策金利を予想外に引き下げたことで、146円前半まで円高が進み、日経平均株価指数は下押しする場面もありました。

 本日は、米CPIコア指数の発表があります。昨日のPPI(卸売物価指数)コア指数が、予想を下回ったことで、市場は改めてインフレ鈍化を意識したようです。ただし、今のところ0.5%、0.25%利下げ確率は、5分5分です。インフレ鈍化は既に市場は織り込んでおり、むしろ予想を上回る数字となった場合、ドル高・米長期利回り高が予想されます。

 昨日もお伝えしましたが、個人的には木曜日の米小売売上高です。米小売業とサービス業の売り上げが落ち込んでいるか否かを確認したいと思います。市場は、米国景気減速を警戒しています。その指標が伸び悩むようならば、ドル安・円高に動くことでしょう。

しかしながら、再三お伝えしていますが、日銀は追加利上げを否定(市場が不安定な状況の中で利上げすることはない)、9月FOMCで0.5%利下げは勝手に市場が思い込んでいるだけです。そのように考えると、8月5日の141.67円まで円高が進むとは思えません。

しかも、日足で見た場合、ドル円と日経225は8月5日の下落を否定しました。(8月5日大陰線を上回っている状態)更に、ミクロで考えた場合、8月5日日本時間の高値を大証金は上回っております。どちらにも該当していないのは、大証白金だけです。

 そのように解釈すると、極端な弱気はできません。ただ、今回の相場の修復には、もうしばらく時間が必要になるかもしれません。

 5月のブログでは、7月に円高に動くとコメントし、いずれドル円は140円~150円レンジでの動きと予想していました。今ではドル円145円~150円レンジを予想しております。日本政府は、円安でも円高でも大きく動くことを嫌います。そのことから徐々に相場は落ち着きを取り戻すと予想します。

【大証金】

 大証金は、本日一押し入りました。しかし、昨日コメントした通りです。会員サイトでもお伝えしましたが、イランがイスラエルを報復攻撃しない限り、安値は買い拾われやすいと考えます。(不謹慎ではありますが、マーケットの動きです)

 今回の大証金安値10804円は、大半が円高によるものです。つまり、ドル円が安定してくると、前回も指摘したように売る要素がなくなります。そのため、基本は買い目線としながら、いったん利食い売りで相場が下押ししたところを買い拾いたいと思います。

【大証白金】

 大証白金は、やはり上値の重い展開となりました。先ほども述べたように、日本時間でも8月5日高値を上回ることができていないのは、白金だけです。つまり、国内の内部要因が改善していないということです。しかも、銅価格の動きに連動しており、市場は未だ米国景気減速を警戒しているように思います。

 ちなみに、私たちは先物取引を行っております。先物取引は、いわば先読み取引です。今ある材料は、ほぼ市場は認識しており、これからどうなるかを探っていくのが相場です。米国・中国景気悪化=プラチナ需要減見通しになります。先日も指摘したように、私たちは需給を語ることはできません。なぜならば、全てを把握することができないからです。ただし、大口投機家は、それらを先取りして動いております。同筋の動きを把握できれば、今後相場がどのように動くかイメージすることができます。

幸い私のブログをご覧いただいている方は、それなりの知識を持って取り組んでいると思いますので、重要な部分だけを常に継続・検証することが重要です。

 話は逸れましたが、NYプラチナ相場は上値が重いものの、920ドル前後では中国の現物買いが入りやすく、しかもNYパラジウムは930ドル台まで上昇しています。おそらくNYパラジウムの上昇は、NYプラチナの下支えになると考えます。あとは、もう少しのドル高・円安がほしいところです。円安に動くということは、市場が安心している裏返しになります。

【日経225】

 日経225は、本日も堅調に推移しました。先ほども述べましたが、8月5日大陰線を完全に打ち消しています。つまり、一連の下げ相場はいったん終了したと考えております。しかし、昨日も述べたように2週間から1が月は注視すべきでしょう。おそらく、9月限SQ週が重要になると考えます。

今回の下落相場で、一番被害を受けたのは日本人と考えます。日本人が直結するのは、株式相場です。そのように考えますと、少し安心したところで、落とし穴があるかもしれません。私の予想では、日経先物証拠金が減額してからのように思います。

よって、〇〇〇〇〇円~〇〇〇〇〇円レンジをイメージし、早い段階で更に反発したところでは売りを考えたいと思います。

当サイトは、商品先物取引に関して、私共の個人的な相場観を書いております。数字や予測値も個人的な見解です。本ブログの内容は、私共が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成しておりますが、その正確性・安全性を保護するものではありません。売買は必ず、ご自身の判断で行ってください。

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