先週末の米雇用統計で、年内1.25%利下げも織り込み始めた。19:16

 先週末の米雇用統計は、乱高下しました。結果は、非農業部門雇用者数14.2万人増(市場予想16万人増)、失業率4.2%(同4.2%)と予想の範囲内だったため、ドル円は予定通り144.03円まで上昇しました。しかし、前月と前々月の労働者数が下方修正されたことで、米景気後退との憶測によりドル円は141.75円まで下落しました。

ドル円・米国株が下落したことで、一気にリスクオフの動きとなりました。

 先週末のコメントでは、米雇用統計前にネガティブ材料を織り込み始めていることから、発表後に144円台までドル円が反発することも考えられると指摘しました。しかし、その後の下落は想定外でした。

 今回の発表後に、9月FOMC0.25%利下げ確率は70%まで上昇したものの、11月、12月それぞれ0.5%利下げが上昇しています。つまり、年内1.25%利下げを織り込み始めていることになります。

 市場は、株安・円高に警戒しています。8月下落時と違うのが、ここの部分です。警戒していない相場ほど下落しやすいものです。今の相場は、円高や日経平均下落すると、8月下落相場を思い出すことでしょう。今月FOMC前までは、このような動きは続くと思いますが、FOMCのドットチャートで、年内政策金利中央値の公表で、1~1.25%利下げを否定する可能性があります。

 私の予想では、年内0.5~0.75%利下げならばドル円は145円~148円で推移し、年内1~1.25%利下げならば142円~145円で推移すると考えます。国内商品は為替によって水準が変わってきます。1円の為替変動で、大証金は80円、大証白金は30円異なります。

 今週は、米消費者物価指数、米卸売物価指数など、インフレ指標が予定しています。仮にインフレが抑制していない場合、利下げ観測後退する可能性が強くなり、インフレが抑制していたとしても既に年内1~1.25%利下げを予想しているため、さらなる円高は考えにくいと思います。よって、FOMCまで141.75円~144円レンジを予想します。

【大証金】

 大証金は、夜間取引で反発してきました。ご存じのように、ドル円が143円半ばまで切り返していることが主因です。

ただし、会員サイトをご覧いただいている方はご理解していただけると思いますが、短期トレンドの変化は〇日後の可能性が高いことに加え、前日高値11660円を上抜けて終えない限り、今回の反落が終了したとは言えないため、かなりハードルが高いように思います。

 全ての金融商品に言えることですが、下落相場から上昇相場へ移行するには時間が必要であり、そのためにレンジ相場が必要になります。よって、今はレンジ相場を意識したトレードが良いと考えます。ちなみに、私自身、金は弱気していません。むしろ、買うタイミングを考えております。

【大証白金】

 大証白金も、夜間取引で反発してきました。

 先週末公表の米CFTC明細を見ますと、大口投機家の買いポジションは41924枚(前週比-1027枚)、売りポジションは40536枚(同+13318枚)に変化していました。あくまでも、この数字は9月3日までです。先週前半指摘したように、大口投機家が売り叩いていたことが明らかになりました。

おそらく、先週木曜日に同筋は2000枚ほど買い戻したように思います。そして、本日NY市場で940ドルを上回って始まるようならば、更にショートカバー(買戻し)が入る可能性があります。あとは、為替の動向だけです。

 ここ一年間の大口投機家買いポジションを見ますと、7月23日ぶりの40000枚前半まで減少しています。ただし、その時の同売りポジションは約28000枚でした。何を言いたいかと言いますと、同筋の買いポジションが減少し、売り込んだ相場であるため、ショートカバーだけでも反発力があるということになります。しかしながら、今回売り叩いた分、すなわち約13000枚のショートカバーが終了すると、再び売り叩かれる可能性がありますので注意しましょう。ちなみに、NYプラチナ取組高の増減を確認すると、何となくイメージできます。

【日経225】

 日経225は、堅調な動きを見せております。ただし、短期トレンドは、未だ下向き継続であるため、再び売り圧力がかかると予想していますが、本日の動きを見ましても35000円台は弱気しにくいように感じます。

 8月5日に30000円台まで下落したことから、未だ市場はトラウマになっているように思います。ほとんどの商品がショック安時の安値を下回れないのは、このような理由があります。一回目の下落では、楽観していた投資家の手仕舞い売りがなかなかでないことと、スピード感を生かした海外投機家の新規売りが加わり、大暴落を演じます。しかし2回目の下落では、一回目の下落イメージが強いため、警戒感が高まり、すぐ下がると弱気の意識が強くなります。弱気が増えると、相場は下がりにくくなります。

 一つポイントを挙げるのならば、明日日経225が終値で38680円を上回るようならば、本日が底打ちと判断しても良いと考えます。

 

 

 

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