本日は、WPICプラチナレポートを見て、過去の相場と対話。18:32

 ドル円は、やはり144円手前で失速しました。そのことについては、昨日のブログをご覧ください。

 明日は米CPI(消費者物価指数)、木曜日は米PPI(卸売物価指数)があります。それぞれインフレ指標であり、市場予想範囲=現状維持、市場予想以=ドル高・円安、市場予想以下=ドル安・円高が考えられます。市場予想以下の場合、9月0.5%利下げ確率が40%を上回ると、142円台のドル安・円高があります。いずれにしても、一方向に動くことはないでしょう。ちなみに、現時点で9月0.5%利下げ確率は、27%と低下しています。これが今、ドル高・円安に動いている要因と考えます。

 本日はプラチナの特集をしたいと思います。大証金と日経225については、簡単にコメントいたします。

 

 大証金は、未だ短期トレンドが下向きであり、今は〇=+2の水準まで到達しています。そのため、先日から述べているように、依然レンジ相場を予想しています。もうしばらく、日柄を見たいと思います。

 

 日経225は、やはり36000円台で堅調な動きを見せております。しかし、金同様、短期トレンドが下向きであり、〇=+2水準まで到達していることから、もうしばらく一進一退の動きを予想します。

 昨日もお伝えしたように、相場の動きには、上昇相場、下落相場、レンジ相場があります。相場のエネルギーを蓄積するためには、レンジ相場が必要です。稀に、V字反騰もありますが、相場は伸び縮みするものです。常にボラティリティが高いわけではありません。

【プラチナ】

 本日、日本時間14時にWPIC(ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル)から第2四半期プラチナレポートが公表されました。

 結論から言いますと、2024年のプラチナ需給は32トン供給不足と予想していました。ちなみに前回5月レポートでは15トンの供給不足でした。内訳を見ますと、供給面が前回より1トン減少の220トン。一方、需要面は前回より16トン増加の252トンと予想していました。かなり、強気な内容だったように思います。しかも、地上在庫は前回113トンから93トンと、20トン下方修正していました。

しかしながら、市場はほとんど反応していません。以前にもお伝えしたように、需給が堅調だからと言って上昇するわけではありません。需給が堅調ということは、底値を切り上げるといったイメージをするのが良いでしょう。相場は、美人投票です。市場がプラチナ相場に投票しない限り、相場は反応しません。NYプラチナが下落するとは思いませんが。

 

 一つ過去の例を挙げたいと思います。

 それは、2020年11月18日のWPICプラチナレポートです。その時は、日本時間午前8時公表でした。

 同年9月8日レポートでは、供給221トン、需要231トン、供給不足10トンでした。ちなみに、地上在庫は99トンと予想していました。

 それが、11月18日レポートでは、供給210トン、需要247トン、供給不足37トンに修正し、地上在庫は73トンと26トン下方修正見通しとしました。

 今回の見通しに近いものがあり、その時のNYプラチナ価格を見ますと、米国時間から若干上昇したように思います。11月18日プラチナレポート公表時点のNYプラチナ価格は934ドル前後であり、その後12月初旬にかけて上昇した経緯はあります。

ただし、その時と現在とでは、センチメントが違います。必ずしもイコールになるとは思いませんが、少なくともNY市場において大口投機家のショートカバーが更に入っても不思議ではありません。昨日のNYプラチナは、ある程度商いができました。おそらく、先週木曜日と今週月曜日の2日間で、同筋売りポジションが3000~4000枚減少したように思います。明日公表のNYプラチナ取組高で、ある程度確認できます。

 最後に、私自身、プラチナを弱気しているわけではありません。現に、NYプラチナ920ドル前後から弱気する相場ではないと伝えておりました。しかしながら、為替がネックです。今回の米雇用統計でドル円を141.75円~144円レンジと予想していますが、いずれ140円を割り込む円高があると予想しています。それが、大証白金の上昇を妨げる要因になるのではと考えます。

そのため、NYプラチナが反発したのを確認して、引き続き売りの意識で臨みたいと思います。

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