投機筋のポジション均衡は、レンジ相場になりやすい。18:04

 米紙ワシントン・ポストは6日、トランプ次期大統領の側近が、国家安全保障や経済安全保障にとって重要な特定の分野の輸入品のみ関税を課すことを検討しているとの報道で、ドル円は156.25円まで下落しました。しかし、トランプ氏が『私の関税政策が縮小されると誤って報じている。これは間違いだ』と述べたことで、ドル円は157円台半ばまで上昇。しかも、1月28日から2日間開催するFOMCで据え置き確率が9割を超えていることや、日銀の利上げ慎重姿勢が伴って、本日午前10時40分ごろにドル円は、158.39円まで上昇しました。

 ただし、同日午前11時ごろに、加藤財務大臣が『投機的な動向を含め為替市場の動向を憂慮し、行き過ぎた動きに対しては適切に対応する』との円安けん制発言により、ドル円上昇一服となりました。

 

 正直、今のドル円水準は、今後の日米金融政策動向を反映しているものであり、昨年もお伝えしましたが、昨年12月19日以降から円高に動きにくくなったのも事実です。ただし、円安が継続することも困難であり、ここは昨年12月19日大陽線後のドル円安値156円を下値サポートとし、上値を159円~160円と予想します。

 本日公表の円建玉明細を見ると、買いポジションが96119枚、売りポジションが104562枚と均衡しております。このようなときに、日本政府が円買い介入をしても意味を成しません。おそらく、口先介入はあっても、日米金融政策動向と、トランプ次期大統領に委ねるしかないような状況と解釈しております。つまり、当面は円高に進みにくいと考えます。

【大阪金】

 大阪金は、安値から200円以上切り返して取引終了しました。昨日、会員サイトでは13300円台は買い拾われやすいとしましたが、瞬間13280円まで下落し、結果的に13400円を維持しております。NY市場の取組高を見ましても、それほど増加しておらず、現段階では2700ドルを上回るのも考えにくいところです。やはり、ドル高がNY金の買いを躊躇させているように思えます。

 しかし、一方で円安が、大阪金の下値をサポートしていることもあり、円高に進みにくい現状では、突っ込んだところを買い拾うのが良いでしょう。新規買いした場合は、昨年同様、終値で前日安値を下回った時点でロスカットするのが良いでしょう。

【大阪白金】

 大阪白金は、本日も堅調な動きを見せました。結論から申しますと、今は弱気していません。ただし、強気しているわけでもありません。おそらく、レンジ相場で推移するように思います。

 その理由としては、一つに円安に進みにくいといった点です。昨年もお伝えしてきましたが、円安・円高はプレミアムです。国内商品の場合、円安はプレミアム上昇、円高はプレミアム下落を意味します。

 もう一つに、本日公表のNYプラチナCFTC建玉明細を見ますと、大口投機家ネットロング(買い越し枚数)が、前週(昨年12月24日)比9992枚減少し、5656枚まで縮小したことです。相場下落前は、必ず買い越し枚数が大幅に増加します。相場が下落しにくくなる時は、同筋の売り買い枚数が縮小します。

 なぜ、今回ネットロングが縮小したのでしょう。その理由として、同筋が新規売りを増やしてきたからです。当然、買いポジションも整理されましたが、弱気する投機筋が増加したことを意味します。相場は、ポジションの偏りが重要です。売り買いが均衡した場合は、買いポジションの手仕舞いがあったとしても、その次に待っているのは売りポジションの手仕舞いです。それが、現時点のNYプラチナの動向のように思います。

多少は、売りポジションの整理が行われたと思いますが、まだ完全ではありません。よって、大阪白金〇〇〇〇円以上は売り物が出やすいと予想しますが、もうしばらく動向を確認したいところです。

※リスク管理をするうえで、ポジションのストップロスもありますが、資金配分もあります。昨日も述べたように、相場観も重要ですが、トレードの仕方も重要です。

【日経225】

 日経225は、一転して大幅高になりました。昨日下落時に空売り比率が44%(前日39.4%)に上昇したことで、本日買戻しが入ったように思います。しかも、米SOX指数が2.84%上昇したこともあり、半導体株が日経平均上昇をけん引したようです。ちなみに、本日の空売り比率は38.2%まで低下しました。

 昨日の会員サイトで述べたように、正直レンジ相場と考えております。日経平均PERが16倍台では強気したくはありません。そう考えると、40000円台は一先ず利食いを考えるべきでしょう。とは言え、日銀利上げ慎重姿勢や自社株買いにより大きく下落するような状況でもありません。よって、当面は逆張りで臨むのが良いでしょう。逆張りの場合は、資金配分を考えるのも良し、前日高安を注視してストップロスを行うのも良しです。

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