やはり、円高が大阪市場の上値を抑制。17:56

 先週末から関税に関し、目まぐるしくニュースが飛び交いました。

 中国政府は11日、米国からの全輸入品に対する関税を12日から最大125%に引き上げると発表しました。しかも、今後米国が更なる関税を課したとしても『無視する』方針を明らかにしました。

そして、その後、FRB高官が『FRBは金融市場安定化を支援する準備は万全だ』と述べたことで、市場に安心感を与えました。

 ※相互関税が予想以上の数字だったことで、FRBはインフレを懸念し、不確実性という観点からパウエルFRB議長は何も言えなかったと思います。通常の考え方では、関税の影響でインフレ再燃後、景気悪化が懸念されます。ただし、米国株がこれだけ下落したことで、ある程度の景気悪化を織り込み始め、FRB高官も口先介入をしたと思われます。

 

 日本時間17日午前2時30分パウエルFRB議長講演での発言内容と、日本時間17日から3日間、ベッセント米財務長官らと、赤澤経済再生担当大臣との関税交渉が重要イベントになります。

 

 話は戻しますが、更に11日、トランプ政権が、相互関税の対象からスマートフォン、コンピュータなどを除外すると発表したことで、市場に安心感が広まりました。

 しかし、13日ラトニック商務長官が、スマトフォン、コンピュータに対し、『相互関税から除外されますが、半導体の分野別関税に含まれます。おそらく、1~2か月の間に導入さえます。』と説明しました。トランプ大統領も『相互関税に例外は無い』と発信しています。

週内にも実施に向けた安全保障上の調査を始めるとしています。

 

 ドル円は、FRBによる緊急利下げ・年内4回利下げ観測や、赤澤大臣による関税交渉で円安是正懸念から、上値の重い展開になっていると思われます。このことが控えている限り、急激な円安は考えにくいところです。

未だ投資家マインドは改善していません。そのことは、認識しておきましょう。

【大阪金】

NY金は堅調に推移しましたが、大阪市場は円高により15000円を維持することができませんでした。未だドル円が気になるところではあります。ただし、大阪金は引き続き買い方針で臨みたいと思います。なぜならば、先週末に公表したNY金CFTC建玉明細を見ますと、投機筋のネットロングは200715枚でした。以前もお伝えしましたが、一つの目安として投機筋ネットロング300000枚以上は過熱・警戒を表します。

こちらのチャートをご覧ください。

 NY金日足チャートになります。赤枠が、今回のNY金CFTC建玉明細で公表した期間です。この期間で投機筋の買いポジションが、約60000枚整理されました。その後、①と②の取組高を見ますと、4月8日と比べて14036枚しか増加(3%増加)していませんでした。私の考えでは、NY金が2日間で187.3ドル上昇したにもかかわらず、14000枚程度しか取組高が増えていないということは、投機筋が買い煽って上昇したわけではないということになります。

投機筋が買い煽っていないということは、何らかの現物の買いが入った可能性が高く、NY市場の下落は限定的と予想します。ただし、日本時間17日のパウエルFRB議長講演、日本時間17日から始まる日米関税交渉を控え、円安に動きにくい状況は理解しておきましょう。(やはり、中国筋が現物買いに動いたのが濃厚です)

【大阪白金】

 大阪白金は、円高の影響もあって、4300円ではまとまった売り物が出ていました。私が掲載している3商品の中で一番売り物が出やすいチャートです。ただし、弱気しているわけではありません。円高が気になるところではありますが、先週末公表のNYプラチナCFTC建玉明細を見ますと、投機筋のポジションはかなり変化していました。

こちらのチャートをご覧ください。

 

 こちらはNYプラチナ日足チャートになります。先週末も掲載しました。

 まず初めに、赤枠はNYプラチナ建玉明細で公表した期間です。今回の下落は、投機筋が買いポジションを5686枚減少させ、売りポジションを10083枚増加させていました。つまり、この間で15769枚売りに変化し、今回の暴落相場を演じたことが理解できます。しかも、投機筋は昨年3月ぶりにネットショートに転じています。2020年コロナ後は、年に1、2回有るか無いかのネットショートです。

 私自身、先週末も予想していた通り、ネットショートに傾いたため、NY市場はいずれ反発すると予想しております。しかも、現時点で先週末に指摘した957.2ドル(①の高値)を上回っております。売り方投機筋のショートカバーが炸裂しても良い価格帯と考えます。

ただし、一つ懸念していることは、円高です。どこまでも円高が続くとは思いませんが、円高は大阪市場の上値を抑える要因であり、海外市場が反発しても思いのほか上昇できないということも視野に入れておきましょう。

 全てのことを踏まえた上で、買いポジションは維持。先週末も指摘したように、プラチナ現物価格をけん引するのはNYプラチナ価格と考え、現物価格よりもNY価格が10ドル~20ドル乖離したところでは、大阪白金一部決済を考えていきたいと思います。現時点では、現物価格よりも4ドル割安だったNYプラチナ価格が、3ドル割高で推移しています。

【日経225】

 日経225は、堅調に推移しました。先週末コメントした通り、4月限SQ値32737.29円が下値支持線になったようです。終値ベースで下回らない限りは、この水準が下値目安になります。

ただし、投資マインドが低下している中、さらなる上昇が期待できるかは疑問です。おそらく、もうしばらくレンジ相場を視野に入れておくのが良いでしょう。(会員サイトに掲載しています)

よって、4月10日にコメントしたように、90%以上の確率で底打ちしたと考え、今は買いの出し入れをしていこうと思います。あとは、今月末から来月中旬の日本企業本決算次第で上値が決まってくると考えます。

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