注目していた4月ISM製造業景況指数は、48.7(市場予想47.9)と市場予想を上回ったものの、好不況の分岐点である50を下回りました。これに対する相場の影響は限定的となりました。
さらに注目していた2回目の日米関税交渉は、およそ2時間協議が終了。赤澤経済再生担当大臣は、一連の関税措置は遺憾だとして見直しするように強く求め、両国間の貿易拡大や非関税措置、それに経済安全保障面での協力などをめぐって議論したようです。そのうえで、3日から事務レベルでの協議を行い、今月中旬以降に再び日米交渉が行われるようです。
そして、もう一つ注目している米雇用統計は、本日21時30分に発表されます。市場予想では、非農業部門雇用者数13万人増加(前回22.8万人増加)、失業率4.2%(同4.2%)になります。
やはり、ドル円はゴールデンウィーク中に145円を上回ってきました。以前からお伝えしているように、145円を基準とした140円~150円レンジを予想していました。しかも、140円~144円レンジを上回ったことで、146円~150円レンジに移行する可能性が高まりました。ただし、円安に動くとするのならば、やはり米国政権による輸入関税緩和が不可欠のように思います。ちなみに、昨日の日銀会合の結果を受け、市場は7月利上げ見通しから年内利上げなしとの見方に変化したようです。
【大阪金】
大阪金は、本日堅調な動きを見せましたが、昨日お伝えしたように15250円~15300円が上値抵抗になったようにも思えます。しかし、弱気はしません。なぜならば、①投機筋が買っていないこと②中央銀行・実需の買いが入りやすいこと③世界的に財政拡張していることが挙げられます。
目先的に上値が重くなるのは仕方がないことですが、①投機筋が買っていないのならば、売り圧力もそれほど強くなく、下値は限定的と考えます。しかも、③世界的に財政拡張による通貨が希薄化となり、その分『金』を②中央銀行が購入しやすくなっていると思われます。
米著名投資家は、ロイター通信のインタビューで、中央銀行による買いと世界的な貿易摩擦を背景に、金価格は2028年まで5000ドルに迫る可能性があるとの見方を示しました。正直、いくらまで上昇するか私には分かりませんが、一切売りは考えていません。
今の大阪金価格15000円台を高いと感じる方は、10年~20年前、それ以上前の金価格を記憶しているだけであり、その時と180度『金』に対する評価が変わってきております。つまり、20000円や25000円があっても需要があれば、高いという評価にはならないということです。中央銀行は、高いから買わないということはありません。しかも、高いから売るということでもありません。必要だから買うのであって、そのことは認識しておきましょう。
よって、基本買い方針ではありますが、もう少し時間の経過を見たいと思います。
【大阪白金】
大阪白金も堅調に推移しました。しかし、プラチナ現物価格が上昇できないのは気がかりです。繰り返しの話にはなりますが、基準はプラチナ現物価格です。それに対して、NYプラチナ価格が下回っているようならば投機筋が弱気している一方で、上回っているのならば投機筋は強気している証になります。
そのように考えますと、昨日のNYプラチナは現物価格と同水準、若しくは若干下回っていました。しかし、本日はNYプラチナ価格が上回ったにもかかわらず、現物価格は追随できずにいます。相場が上昇・下落するにもNYプラチナがけん引役になります。NYプラチナ上昇に伴って、現物価格も上昇することが理想的です。
とは言え、昨日もお伝えしたように、現物価格950~960ドルが下値抵抗になりました。中国実需筋が4月7日から3日間920ドル以下で大量に買っていたこと、先日960ドル以下でも大量に買っていたことを踏まえると、4月7日のような下落は無いものと考えます。
よって、大阪白金上昇要因である円安は予定通りですが、プラチナ現物価格990~1000ドルまでの上昇は、数日間必要と考えた上、4300円~4500円レンジを意識し、4600円までの上昇を期待したいと思います。
【日経225】
日経225は、一時37000円を上回りました。昨日の日銀会合で、市場が7月利上げ予想から年内利上げがないとの見方が強まり、買い主体の動きになったようです。年内利上げがないとの見方は、昨日の植田日銀総裁の記者会見で、トランプ関税による『不確実性』を連呼していたため、利上げに対して消極的な見方が強まったようです。
さて、基本は買いスタンスです。2回目の日米関税交渉でも結論が出ず、先送りとりましたが、今の市場はネガティブにとらえなかったようです。つまり、投資マインドが回復してきたことになります。そのように考えると、大きく下落するような相場ではないと考えます。
ただし、強いて言うのであれば、7日連続上昇していることです。やや上昇ピッチが速いように思います。しかしながら、4月7日後の戻り高値となった35140円を上抜けたことで、関税による悪材料は一旦相場が吸収したと考え、仮に下押しがあるとすれば35000円程度と予想します。
昨日も述べたように、向こう2日間程度で、ある程度相場の動きがハッキリするように思います。よって、36000円台で買う相場か、それとも35000円台まで待つ相場か、見極めたいと思います。
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