先週末、米国株終了後に、格付け民間会社ムーディーズが、米国債の格付けを1段階引き下げたと発表しました。しかし、同社は、3月レポートで既に米国債引き下げ見通しを公表していたため、一過性の材料と考えます。
しかも、格付け会社フィッチやS&Pグローバルは、既に米国債を格下げしており、ムーディーズがそれに合わせた形になっております。
ただし、20日から22日の日米協議で円安是正を求められるとの思惑や、今回のムーディーズによる米国債引き下げによりドル円が145円を割り込みました。しかしながら、FRBによる年内2回利下げ確率に変わりはなく、トランプ関税は貿易赤字をゼロにする政策でもあり、ドル安が進むとは思えません。しかも、先週末公表のCFTC建玉明細による円の投機筋ポジションは、依然として172000枚ほどのネットロング(買い越し)となっており、まとまった円巻き戻しが起きても不思議ではありません。
よって、いずれドル円は146円~150円で落ち着くと予想します。
※先週末のコメントもご参考にしてみてください。
https://first-traders.com/metal/17361/
トランプ関税の多くが維持されていることを認識しておきましょう。
【大阪金】
大阪金は、やはり上値の重い展開になりました。本日の会員サイトでは、15220円以上は売り物が出やすいと指摘しました。その理由は、短期(60分足)トレンドが、下向きになっており、15220円以上は短期買われすぎの領域に突入するからです。しかも、トレンドの変化に数日間必要と考えます。先週15日の大陰線を見ますと、始値15400円、高値15405円、終値14843円であったことから、当面15400円台を買切ることは困難と考えるべきでしょう。
〈16日の和平交渉〉
16日に延期となったロシア、ウクライナの和平交渉は、『両国は再び協議を行うことで原則的に合意』と、結果的に平行線のままとなりました。ただし、トランプ大統領とプーチン大統領は、19日に停戦などについて電話会談をする予定です。
〈CFTC建玉明細〉
先週末公表のCFTC建玉明細を見ましても、投機筋のネットロングは161209枚と、前週比1288枚減少していました。(5月7日~13日)この期間のNY金価格は、3448ドルから3248ドルまでの下落によるポジションとなります。つまり、投機筋が手仕舞い売りをしたことによる下落ではなかったということになります。
よって、今は投機筋に期待しにくいため、会員サイトで述べている通り短期レンジをイメージした上で、突っ込み買い方針継続と考えます。
【大阪白金】
大阪白金は、堅調に推移した一方で、今朝方9時台で反発した場面では600枚近くの売り物が出ていました。
〈WPICプラチナ需給レポート〉
本日14時、ロンドン時間では6時にWPICから四半期ごとのプラチナレポートが公表されました。それによりますと、第一四半期(1月ー3月)の世界需給は、供給が45トンに対し、需要が71トンと25トンの供給不足とのことです。2025年に関しては、供給が218トン(前回3月見通し218トン)、需要は248トン(同244トン)とし、30トン(同26トン)の供給不足見通しに修正しました。しかも、地上在庫を67トン(同79トン)に下方修正。正直、私は需要がもう少し減少すると予想していましたが、意外に自動車需要は堅調な見通しを公表していました。
私は以前から地上在庫に注目していました。2024年に105トン存在していた地上在庫が、67トンに減少するのであれば、価格は素直に反応することでしょう。ただし、需給とは、今の価格帯で買いたいか、買いたくないかです。本当に希少価値があるのならば、1000ドルを買い切ってきても不思議ではありません。この材料をネタに投機筋が買ってくるか注目したいと思います。
〈CFTC建玉明細〉
先週末公表のCFTC建玉明細を見ますと、投機筋のネットロングは9316枚と、前週比194枚減少していました。正直ほとんど動いていなかったようです。当然の動きですね。同筋の買い42968枚に対し、売りは33652枚となっております。この買いに対しては、50000枚を上回ると投機筋が買い煽っている、55000枚を上回ると内部要因での過熱感となります。今は、全く買っていないということです。
〈プラチナ現物価格とNYプラチナ価格〉
17:30時点のプラチナ現物価格は995.6ドル、NYプラチナ価格は993.3ドルで推移しています。繰り返しになりますが、相場上昇時は、NYプラチナは現物よりも割高で推移します。この関係性を見ても投機筋が買っていないということが理解できます。
ただし、中国筋は970ドル台まで現物を買ってきています。さすがに1000ドル近辺では、買いの量は多くありませんでした。つまり、980ドルが引き続き下値支持線になる可能性はあります。
よって、引き続き4450円~4650円レンジをイメージした上で、買いスタンス継続とします。投資家(投機筋の買い)の資金流入がない限りは、一気の上昇する期待はできないものの、今はドル円146円~150円への回復期待で、4600円台を意識しておきたいと思います。
【日経225】
日経225は、やはり失速してきました。先週末のコメントでは方針転換し、38000円台は売りを意識としましたが、38000円ちょうどから反落しました。しかも、5月限SQ値37572円を下回って終えたことから、もうしばらく上値の重い展開を予想します。
よって、今は売りを意識しながら、戻り場面を待ちたいと思います。
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