相場の流れには向かうべからず。18:35

 加藤財務相とベッセント財務長官との会談では、為替の水準については議論しなかったとのことでした。正直、今回のような結果であるならば、もう少し円安に振れると予想していましたが、発表直後は144.40円まで円安に動いたものの、それ以降は143円前半で推移しています。23日~25日に3回目の日米関税交渉や、大手格付け会社全てが米国債を最上位から格下げにしたことでドル安の動きになっておりますが、再三お伝えしているように、FRBが年内1回から2回利下げにとどまるのであれば、ドル円はいずれ146円~150円まで切り返すと予想します。

【大阪金】

 大阪金は、15316円を安値とし、15400円台で取引終了しました。昨日も述べたように、5月16日~20日の高値15245円~15288円が下値支持線になると考えます。

〈今回の金上昇要因〉

①大手格付け会社3社が米国債を最上位から引き下げたことで、米国債が下落し、リスク資産として金が買われたように思います。②イスラエル軍によるパレスチナ暫定自治区ジェニンで視察に訪れた各国外交団に警告射撃を行ったことで地政学リスクで買われたように思います。

昨日もお伝えしたように、金は『無国籍通貨』『リスクヘッジ』『地政学リスク』などの買い要因があります。しかも、買い手は中央銀行がメインです。

〈投機筋の買い〉

 投機筋の買いは、あまり見受けられません。NY金が反発したのは5月20日からになります。5月20日のNY金取組高を見ますと、前日比4843枚(取組の1%)しか増加していませんでした。そのように考えますと、投機筋が買い煽ったことにより、1日で50ドル上昇したわけではないということになります。つまり、投機筋が買っていないため、手仕舞い売りも限定と予想し、再びNY金が3200ドル台まで下押しすると、買い拾われやすい環境と考えます。

 よって、昨日も述べたように予想レンジを引き上げ(会員サイトに掲載中)、下値支持線と前日安値を目安に、買い拾いを考えます。おそらく、200円買い下がる必要はないと考えていますが、既に200円幅買い下がった方は、反発場面で利食いを意識しながら、再び突込みを買い拾うのが良いでしょう。(大幅上昇は予測して狙えるものではありません)

 繰り返しになりますが、今は新たな相場展開をイメージしていきましょう。4月のような上昇は、イメージしなくて良いと考えます。

【大阪白金】

 大阪白金は、思ったよりも下がらなかったように思います。昨日は、現物価格が1060ドル台まで上昇したため、1030ドル以下は買い拾われやすいと指摘しましたが、結果的に1040ドルまで下げたのち(大阪白金は4670円)、1085ドルまで上昇しました。

〈今回のプラチナ上昇〉

 まず初めに、今回の上昇のきっかけは、WPICプラチナ需給レポートと考えます。私が注目したのは、2025年需給見通しではなく、1-3月の需給内容でした。レポートによると、既に25トンの供給不足に陥っているとのことでした。そのように考えると、2025年30トン供給不足が現実味となり、そうなると地上在庫がWPIC見通しの67トンを下回る可能性が出てきたように思います。そのように解釈しますと、投機筋が大量に買い煽てくるのも分かります。

〈NYプラチナ取組高と出来高〉

 5月19日にNYプラチナは15.7ドル上昇し、1005.9ドルを付けました。その時の出来高は32125枚、取組高は前日比2103枚増加の78406枚でした。そして、翌日20日の出来高は60180枚、取組高は前日比3652枚増加の82058枚でした。さらに、21日の出来高は推定64547枚と大商いを演じました。おそらく取組高も増加していることでしょう。(21日の取組高は明日公表)

 これら数字を見る限り、投機筋が2日間活発化しており、新規買いによる上昇ということが理解できます。常にCFTC建玉明細を見ている方はご理解できると思いますが、先週末公表の投機筋ポジションでは、売りも買いも最小限の枚数であったため、ショートカバーで上昇するよりは新規買い(投機資金流入)による上昇が高いと考えていました。

ただし、その前に、私はドル円上昇で大阪白金上昇をイメージしていました。良い意味で期待外れでしたが。

〈NYプラチナとNY現物価格の関係〉

 本日午前6時のNYプラチナ価格は1079.85に対し、現物価格は1078.38ドルと、1~2ドルしか開いておりませんでした。昨日は、投機筋が買うと誰かが売る、それが現物筋と述べましたが、現物筋が売る場合はNYプラチナが現物価格よりも大幅割高になったときです。NYプラチナが割高になるということは、投機筋の買いが過熱していることを意味します。しかし、今回の相場は、NYプラチナが上昇している割には、思ったほど割高にはなりません。そのため、もうしばらく、昨日のような上下の動きを見せるように思います。

 ちなみに、現在18:00のNYプラチナ価格は1078ドル、現物価格1073ドルとなっております。

 ここからのポイントは、現物価格が上がらなくなったところです。そうなれば、1030ドル以下もあり得ると考えます。

 とは言え、昨日述べたように、大阪白金4700円台は買われすぎの領域です。そのように考えると、ここは利食い優先とし、以前からのレンジ下限を引き上げながら突込み買い狙いとします。今週末には、5月20日の投機筋動向が確認できます。どれだけ買ったかを確認しましょう。

【日経225】

 日経225は、やはり上値の重い展開となりました。唯一、売り方針で臨んでいた日経225ですが、本日会員サイトでは37800円の売り玉の利食いを提案しました。ただし、まだ戻りは売りを意識していきたいと思います。

 やはり、NY株3指数が、3月の水準、若しくは3月を上回る水準まで上昇したのは、少々楽観しすぎだったように思います。私自身も36500円辺りで揉み合いを演じると予想していましたが、5月13日に38790円まで上昇したのには、正直驚きました。

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