ドル円は、トランプ大統領がEUに対し、50%の輸入関税を7月9日に延期したとはいえ、まだ懸念が払しょくしたわけではないということからドル売り円買いに動きました。しかも、本日植田日銀総裁が、国際コンファレンスのあいさつで『見通しが実現していけば、2%の物価安定目標の持続的な達成に向けて、利上げを継続する』との見解を示したことで、更にドル円は142.10円台まで下落しました。
しかし、午後に入り、一部の通信社が『財務省は2025年度の国債発行計画見通しを検討へ』との報道を受け、日本長期国債利回りが低下し、ドル円は143円台まで浮上することとなりました。
私は、昨日もお伝えしましたが、今すぐに円安には動きにくいかもしれませんが、①投機筋の円買いポジション大量保有②6月中旬から欧州勢ファンドの中間決算に向けた決済③FRBによる年内2回利下げ有力という点から、遅かれ早かれドル円は146円~150円まで浮上すると考えております。
【大阪金】
大阪金は、狭いレンジでの動きとなりました。相場にマヒしてはいけません。5月15日に600円以上下落し、翌16日に400円以上上昇しましたが、常にそのように動くわけではありません。以前にもお伝えしましたが、大幅上昇は狙ってとれるものではありません。
〈試し買いする場合の例〉
以前から私は、前日安値を意識し買い方針と伝えてきました。その理由としては、①まず買いか、売りかの決め打ち②買いならば、前日安値を下回って終えることはない。③リスクを最小限にすることができるということになります。
例えば、本日ならば、私自身、①未だ買いで考えております。②前日安値15376円であるため、15375円で買い指値を試しに入れてみる③本日15時40分の段階で、15376円を下回っているのならば決済する。結果的に、本日終値15386円であったため、そのまま買い継続となりました。そして、本日安値15357円ロスカットとして、注視するのが良いと考えます。次は、終値ではなく、通常のロスカットで対処しても良いと考えます。そのようにルールを決めておけば、大阪金15000円台で怖がらずに買うことができます。
〈相場のことは相場に聞け〉
相場のことは、相場に聞くのが一番です。上記で示した前日高値・安値と当日終値の関係性は非常に重要と考えております。①前日高値を当日終値が上回った場合=上昇サイン②前日安値を当日終値が下回った場合=下落サインになります。①が2日以上続く場合=上昇トレンド形成のサイン、②が2日以上続く場合=修正安のサインと判断することができます。100%ではありませんが、知識として知っておくのが良いでしょう。
そして、大陽線と大陰線です。ロウソク足の大陽線が、どこで出現するか重要になります。①下落トレンドの中での大陽線、②上昇トレンドでの大陽線、意味合いが異なります。例えば、①の場合は可能性的に現物の買いが入った場合のロウソク足になります。②の場合は、投資家が一斉に強気した場合のロウソク足になります。そもそも大陽線は、多くの数量が強気したロウソク足です。①は底打ちを示し、②は天井が近いことを示します。
そのことを踏まえると、5月21日の大陽線が、大阪金相場のキーになっていると考えます。つまり、買いと思うのであれば、このロウソク足を軸に、予想するのが良いでしょう。ただし、このロウソク足を否定した場合は、維持にならずに静観してみるのも戦略の一つです。
よって、予想レンジ下限を引き上げながら、買い方針継続とします。
【大阪白金】
大阪白金は、本日軟調に推移しました。大阪市場は、海外市場の動きというより、円高に動いたことをキッカケとし、まとまった売り物が出ていました。ただし、円高一服すると、大阪白金は徐々に安値を切り上げる動きとなりました。
〈大阪金で述べたことを大阪白金でも〉
先ほど大阪金でも述べましたが、大阪白金の前日安値は4600円です。前日終値が4732円だったため、133円以上下落して終わらない限り、売りに転換することは無いと考えることができます。133円と言いますと、現物価格で30ドル下落することを意味します。(1080ドルから1050ドルへの下落)ドル円では、約4円下落することを意味します。そのように考えると、本日の4600円台を弱気する必要はないと判断することができます。買うことができるかは、個々の考え次第ではありますが、新規売りは選択肢に入れる必要がない一日でした。
〈改めてプラチナの独自材料〉
先週19日(日本時間14時、ロンドン時間6時)に、WPICから四半期プラチナ需給レポートが公表されました。2025年需給見通しは30トン供給不足としましたが、今年1-3月期の需給は既に25トン供給不足との見解を示したことで、一気に現物筋と投機筋が買いに動いたと思われます。つまり、今年30トンの供給不足に対する信ぴょう性が伝わったことになります。予想はあくまでも予想です。ただし、結果が出ていることは、覆すことのできない事実です。
そのように理解すると、需給見通し発表後の20日大陽線が、今の現物価格をサポートしていることになります。そのため、翌21日安値1039ドルが当面の下値目安になると予想します。
〈NY市場と現物市場との関係性〉
昨日もお伝えしましたが、過熱している相場とは思えません。その理由は、何度も指摘していることになりますので、割愛いたします。18時時点のNYプラチナ価格は1085ドルに対し、現物価格は1084ドルで推移しています。つまり、現物価格が堅調に推移していることになります。繰り返しになりますが、基本は現物価格です。現物価格を軸にNYプラチナ価格が10~20ドル割高であれば、現状の需給要因以上に期待した買いが入っていることになります。ただし、現在は1ドル程度の価格差であるため、NYプラチナが過熱しているということではありません。
よって、引き続き、会員サイトで掲載しているレンジを意識した上で、買いスタンス継続とします。
【日経225】
日経225は、やはり堅調な動きとなりました。昨日は、37350円の売り玉を37590円でロスカットとなり、今はポジションゼロにしています。
昨日の終値が前日高値を上回ったため、27日も反発し、現在は38000円付近まで上昇しています。38000円台は強気したくない水準ですが、もうしばらく様子見ていきたいと思います。