先週末の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が13.9万人増加と、市場予想13.0万人増加を上回ったことで、米景気減速懸念が和らぎ、米国株とドル円が反発しました。この動きは、先週水曜日に発表したADP雇用統計が市場予想を大幅に下回ったことを受け、ドル安・円高に動いた反動と考えられます。
トランプ米大統領は、米雇用統計発表後にFRBは政策金利を1%引き下げるべきだと述べ、利下げしていないにもかかわらず米国景気は絶好調だとSNSに投稿しました。年内利下げ回数予想は、依然として2回で推移しており、同氏のコメントの影響は限定的のようです。
※本日は、ボラティリティが高まっている白金についてコメントいたします。なお、大阪金、日経225に関しましては、会員サイトをご参考にしてください。
【大阪白金】
大阪白金は、花火が上がったような上昇を見せております。本日の上昇では、正直利益を取ることはできませんでした。何度もお伝えしているように、私は買われすぎを買い煽る投資スタイルではないため、相場を取り損ねることは多々あります。ただし、方向性だけは重視しています。
しかし、それにしても、かなり過熱しております。先週末は、時間足、日足が買われすぎの領域でしたが、本日週足までも買われすぎの領域です。週足が買われすぎになるのは、年に1回有るか無いかです。
〈米CFTC建玉明細確認〉
先週末公表の建玉明細について解説したいと思います。まず、今回対象期間は、チャートの赤枠(5月28日~6月3日)になります。つまり、NYプラチナ高値1096ドル~終値1070ドルの狭いレンジでの大口投機家(投機筋)のポジションです。上記の表を見ていただくと分かる通り、投機筋が売りポジションを5031枚増やしていました。この売りが、今回上昇のきっかけになったと考えます。ここでもう一つ注意すべきは、大口当業者(現物筋)の動向です。売りポジションを2262枚減少させているのが理解できます。同じ買い注文でも、買い玉増加と売り玉減少の意味合いは異なります。しかも、現物筋ならば、なおさらです。
〈6月4日以降をイメージしてみましょう〉
恐らく、6月5日に1100ドルを上回ったのは、投機筋のショートカバー(買戻し)がきっかけと考えます。その後1100ドルを維持したことで、投機筋が新規買いしたと予想します。上記の表を見ていただくと分かる通り、5月21日以降、投機筋の買いポジションは9000枚ほど増加していました。この間の価格は、1060ドル~1085ドルになります。つまり、この水準で投機筋が9000枚買ったことが理解できます。
そして、取組高から見ましても6月4日96279枚前日比1017枚増、5日は96305枚前日比26枚増、この2日間で75ドルも上昇したにもかかわらず、取組高が増加しているということは、当然5000枚売り玉のショートカバーは発動したと考え、それに対し7000枚以上新規買いをしていることが予想できます。つまり、私の予想では12000枚程度買いに偏ったと考えており、6月5日時点の投機筋ネットロング(買い越し枚数)は32000枚近くまで増加していると予想します。
しかも、6月6日~9日で更に80ドル以上上昇していることを考慮すると、投機筋のネットロングは35000枚を超えている可能性があります。投機筋のネットロングが35000枚~40000枚近くまで膨らんだ場合は、かなりの確率で修正安を演じます。
〈ここまでを整理すると〉
私が信用しているテクニカルでは、時間足、日足に次いで、週足までも買われすぎの領域です。そして、NY市場では、投機筋が買い煽っている可能性が高いと考えます。
〈続いて、大阪白金お過熱感を表す乖離率とトレンドでは?〉
こちらは、大阪白金の日中時間のみの日足チャートになります。つまり、日本時間で付けた価格帯ということです。4月7日からのトレンドラインを引いてみました。通常、トレンドラインからの乖離は修正する可能性が高まります。過熱している証拠です。しかも、下段の25日移動平均線との乖離率は14.76%(15時45分時点)で、昨年5月20日終値5422円の時より上昇しております。ちなみに、昨年5月20日の乖離率は11.68%でした。25日移動平均線乖離率が10%を超えることはごく稀です。そのことからもかなり過熱していることが理解できます。
〈唯一、以前と異なる動き〉
繰り返しになりますが、唯一以前と異なるのは、NYプラチナと現物価格との乖離です。高値圏では、必ずと言って良いほど、現物価格よりもNYプラチナ価格が10ドル~20ドル割高で推移します。つまり、先物市場が期待を買いに動いた結果、期待外れになるケースが良く見受けられます。ただし、以前から述べているように、現物価格も一緒に上昇しています。つまり、現物需要があるということです。
ちなみに、現在17:50時点のNYプラチナ価格1211ドル、現物価格1205ドル、少し開いてきました。
〈結論〉
8~9割の指標で過熱感が出ており、いずれトレンドラインに合わせた修正安が考えられます。おそらく、1100ドル以上で買った投機筋の手仕舞い売りが出てくると予想しています。しかし、その下落はすかさず買い拾うのが良いと考えます。ちなみに、5400円から5%下げは270円安の5130円、10%下げは4860円になります。修正安ということを意識するならば、10%程度下げても不思議ではないと考えます。
※相場が上昇するとマヒを起こし、そんな値段は無いと言われますが、投機筋の過熱には気を付けるべきでしょう。
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