昨日は、イスラエルとイランが停戦合意したにもかかわらず、両国ともにミサイルを発射したことで、トランプ大統領はイスラエルへ忠告し、現時点では大規模な攻撃や被害情報は伝えられておりません。
〈日米中央銀行高官の発言を時系列〉
20日、ウォラーFRB理事は、早ければ7月にも利下げできる状況であると発言しました。
23日、ボウマンFRB副議長は、インフレ圧力が抑制されれば、7月にも利下げの可能性があると発言しました。
24日、パウエルFRB議長は、経済が好調な状況では、利下げを急ぐ必要はないと発言しました。
25日、田村日銀審議委員は、適時適切に政策金利を引き上げ、金融緩和の調整をしていくと発言しました。
本日午前のドル円は、FRBによる7月利下げ観測が強い中、田村審議委員のタカ派発言で、144円台で推移していましたが、その後パウエルFRBの利下げを急がない姿勢や、本日8時50分に公表された日銀の主な意見で『当面現状維持が適当だ』との意見が前回会合で出ていたことが明らかになったため、145円を回復したと思われます。
〈市場の見方〉
フェドウォッチによる年内利下げ回数は、2~3回となっております。依然として、9月FOMCで0.25%利下げが行われるとの予測です。そして、10月も50%以上の確率で、0.25%利下げ予想となっております。つまり、利下げ回数が1回ならば、当然現状よりもタカ派と受け止められ、146円~150円で推移することが考えられます。
【大阪金】
大阪金は、堅調な動きを見せました。繰り返しになりますが、『有事の金買い』で、金価格上昇は持続しません。一過性にとどまるため、一緒になって買うことはお勧めしません。
私は何度もお伝えしているように、中東情勢緊迫化はオマケのようなものであり、最初からそのようなことを考えて、買い方針を継続しているわけではありません。
根本的な理由が違うわけです。今では、『ゴールド』を実際に、お金として取引している国もあるようです。つまり、金の評価が依然とは異なるということです。ましてや、米国大統領がトランプ氏であるため、他国に関してはリスク要因でしかありません。そのリスクに備え、実物資産を購入しているようにも思えます。
よって、イスラエル、イランによる地政学リスクで付けた高値は、すぐに上回る期待はできません。そのため、引き続き大きなレンジ15400円~16400円を意識しながら買い方針継続とし、吹き値は利食いも考えるのが良いでしょう。
【大阪白金】
大阪白金は、大幅上昇となりました。昨日の中国筋は、ほとんど買っていませんでした。おそらく、欧州時間で上昇したのは、欧州勢のショートスクイーズか現物買いが入ったのかもしれません。いずれにしても、1300ドル台で現物の売りは出ていないように思います。
明日は、大阪市場新補発会です。今週いっぱいは、NY市場でロールオーバー(限月乗り換え)が継続すると考えます。ただし、今は先物市場よりも現物市場が重要であるということです。
貴金属に詳しい方は、金融機関がスポット買いの先物売りをしていると指摘しています。それだけ、品薄ということのようですが、おそらく欧州には在庫が見当たらないのかもしれません。ただし、金もそうでしたが、価格が上昇すると、どこからともなく現物の売りは出やすいものです。
〈なぜプラチナが上昇しているのか?〉
①5月19日のWPICで、1月ー3月のプラチナ需給を25トン供給不足とし、3年連続供給不足に真実味を帯びたこと。
②中国宝飾品業者は、保管コストの高い金から割安のプラチナへシフトしていること。
③南ア政府が、プラチナを『最重要鉱物』と位置付けたこと。
これらにより、中国が今月9日から大量にプラチナの現物を買っていたことが見受けられました。(あくまでも私の分析です)
〈今後注意する点〉
①中国の動向
②NYプラチナ価格を現物価格が下回るか、それとも維持するか。
③相互関税期限が7月9日に迫っており、トランプ大統領の動向。7月4日の独立記念日前に、何らかの動きも。
中国は、先ほどもお伝えしましたが、昨日はほとんど買っていませんでした。一昨の現物価格1250ドルではある程度買っていたため、ここからは安くなった場面で中国が買ってくるかに注目したいと思います。②は、現物売りが仮に入った場合、現物価格から崩れると予想します。つまり、NY価格より現物価格が割高である以上、現物の売りはほとんど入っていないと判断するのが良いでしょう。
〈NYプラチナと現物価格との関係性〉
18時時点のNYプラチナ価格は1309.5ドルに対し、現物価格は1314ドルで推移しています。本日、日本時間14時台に1329ドルまで上昇したことを考えると、そこから15ドルは落ちていることになります。ただし、未だ現物価格が上昇をけん引していることは否定できません。
常に、そのことを意識しながら相場を客観的に見ていきたいと思います。
よって、昨日も指摘した5550円~5900円レンジを意識し、幅広く5000円~6500円レンジも視野に入れておきましょう。ちなみに、昨日もお伝えしましたが、総需要の3割である投資・宝飾品需要が増加したとしても、7割の工業品需要が減少する可能性は否定できません。今は、上昇相場であるため、中国の買いが意識されますが、冷静な相場展開になれば、当然工業品を主としている実需筋は安くなってほしいはずです。(完全にモノがないわけではないのですから)
【日経225】
日経225は、夜間取引で39000円を上回ってきました。正直、買いたい値段まで下げませんでした。ここ数日間の反発は、半導体株が上昇したことや、配当金再投資が入っているからだと考えます。
客観的に、明日、前日高値38930円を上回って終えるのならば、もう一段高を考えるべきですが、私は様子見します。なぜならば、空売り比率が36%台だからです。
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