〈日米金融政策〉
本日朝方3時にFOMCの結果が発表されました。ご存じのように、市場予想通りFFレート誘導目標4.25%ー4.50%で据え置き決定しました。
パウエルFRB記者会見では、「インフレリスクは一時的な物価上昇にとどまるというのが妥当なベースシナリオ。ただ、不確実性は残る」とし、「関税のインフレへの影響は短命というのが妥当な見方」と話されました。
更に「夏の終わりまでに政策見直しを完了する予定」とした上で、「9月FOMCについては何も決定していない」と言及していました。「今注目すべき主な指標は失業率」とし、「インフレ率は目標をわずかに上回っており、失業率は目標水準にある」と話されていました。おそらく、失業率が上昇すると、政策金利引き下げの思惑が浮上する可能性があります。
一方、日銀金融政策決定会合は、市場予想通り政策金利据え置きを決定しました。
植田日銀総裁の記者会見では、日米関税の合意は大きな前進であるとし、見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げると話していました。同氏の記者会見の内容が以前と変わっていないこともあり、日銀による利上げが遠のいたのではとの思惑から、ドル円は149円台後半まで上昇しています。
ただし、両中央銀行の金融政策の方向性が変化したわけではないため、ドル円が上昇し続けるのは困難と予想します。
〈意外な銅に対する50%輸入関税〉
トランプ大統領は30日、輸入する銅の加工品などに対し、50%の追加関税を課す布告に署名しました。銅管や銅線といった加工品や、銅を用いた一部製品に対象を絞り、原料となる銅鉱石や銅スクラップへの適用は見送られました。市場は、銅すべてに50%の関税を課すと考えていたため、意外な内容であったことからポジティブに反応しました。
こちらは、17時時点のNY銅日足チャートになります。①は、銅へ50%の関税を課すと発表したことで、大幅上昇したロウソク足になります。しかし、今回、銅加工品のみということで、相場は一旦落ち着きを取り戻したように思います。つまり、①は、関税によって作られた価格ということです。特別、投機筋が買い煽ったわけではなく、売り方のショートカバーで反発したのが①になります。(CFTC建玉明細)
【大阪金】
大阪金は、15850円まで下落しましたが、夜間取引に入ってから再び16000円台を回復しております。昨日も述べたように、NY金と金現物の価格差は依然として52ドル開いていますが、やはり現物価格が3200ドル台まで下落すると実需の買いが入りやすいのかもしれません。
私自身、もう一段安いところを予想していましたが、15850円で一旦下げ止まった可能性もあり、ここは明日の終値が前日高値16039円を上回るか確認したいと思います。
【大阪白金】
大阪白金は、銅に対する50%輸入関税が加工品のみであったことから、その材料で上昇していた分が否定されました。しかも、ロシア大統領政府報道官が、ロシアは既に制裁などの免疫を得ているとの発言で、ロシアによる供給不安が後退し、現物価格は一時1300ドルを割り込みました。
7月29日のブログにも掲載しましたが、①ロシアへの制裁②銅に対する50%関税③中国実需の買いが材料となっておりましたが、①~③すべてを一旦否定しました。ただし、価格が安くなると実需の買いも入りやすいため、安値から50ドル近く切り返す場面も見られました。
〈私の予想〉
おそらく、銅やロシア絡みの材料は、ある程度織り込まれたように思います。そのため、同じような懸念材料が出たとしても、今までのような上昇は困難と予想します。ただし、中国筋の動向は注視する必要があります。
私の持論ですが、相場が上昇し、何年ぶりの高値、何十年ぶりの高値を付けると、市場は買い一色になります。なぜならば、それまで売っていた投資家のショートカバーや、さらに上昇を期待する投資家の買いが入りやすくなります。今回の相場がそうでした。しかしながら、高値から値を下げますと、今度は上昇を期待する買いと、反発したところで売り逃げようとする動きが交錯し、5月~6月のような上昇一辺倒の相場を描くには余程のエネルギーが必要と考えます。
〈天井の可能性高まる〉
私は、昨日2日~6日間で相場が動き出すと予想しましたが、そのコメントした日に相場が動き出しました。しかも、大阪白金6000円~6200円レンジをハッキリと下抜けしました。先日も伝えたように、天井で出現するロウソク足が、2番天井の可能性が高くなりました。ただし、明日終値で先週安値をハッキリ下回る必要があります。それを確認してから売りを意識しても遅くはありません。(天井の可能性は高まったものの、まだテクニカルは売り転換していません。)
本日の会員サイトでは、短期売られすぎであるため、反発もあり得ると指摘したように、未だに5800円台は短期売られすぎです。そのため、あと1日~5日間の相場展開で、判断していきたいと思います。
【日経225】
日経225は、意外な反発を見せております。会員サイトで、短期トレードとしたうえで、40800円以上からは売り物が出やすいとコメントしましたが、今では41200円台まで反発しております。
仮に新規売りをした方は、明日終値で前日高値41200円を上回った場合は、損決済するのも一つの選択肢です。
このまま上昇するとは思えませんが、レンジ相場継続ならば、明日終値は前日高値を上回ることは無いと考えます。
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