今月FOMCでの利下げ期待が、相場をサポート。19:10

先週末5日の米雇用統計は、ご存じのように、予想外の結果となりました。非農業部門雇用者数は2.2万人増加(市場予想7.5万人増加)、失業率4.3%(同4.3%)となり、6月分雇用者数を1万4000人増加から1万3000人減少に修正してきました。そのため、9月0.25%利下げ確率が89%であるものの、0.5%利下げ確率が11%と浮上してきました。

 トランプ大統領は7日、ロシアが侵攻するウクライナ情勢を話し合うため、欧州の首脳が今週、個別に訪米するとの見通しを明らかにしました。同氏は『月曜(8日)か火曜(9日)』に欧州の首脳が訪米すると言及しました。また、プーチン大統領と近く協議する意向も改めて表明し、対ロ制裁を強化する可能性も示唆しております。

【大阪金】

 大阪金は、高値更新しました。以前にも伝えていますが、金価格が下落する理由として、ヘッジファンドの手仕舞い売りのみしか考えられません。ただし、ヘッジファンドは価格が高いからと言って売ることはしません。何かのきっかけによって、売る(手仕舞い)ということは考えられます。そのように解釈した上で、先週末の米雇用統計がさらに悪化し、0.5%利下げも浮上しNY金の上昇につながったことから、やはりFOMCがポイントになりそうです。

 8月22日のジャクソンホール会議で、パウエルFRB議長は労働市場が減速するリスクが高まる場合は『政策スタンスの調整が正当化される可能性がある』と述べました。この発言をきっかけとし、NY市場が上昇したことは明らかです。

 こちらのチャートは、NY金日足になります。①は、8月22日パウエルFRB議長発言のロウソク足になります。その日をキッカケに、NY市場の取組高(市場に存在するポジション)は増加し続けています。価格が上昇したことにより、取組高増加はヘッジファンド(投機筋)の買いを意味します。

 少し噛み砕いて話しますと、8月22日安値3362.8ドルから9月8日高値3657.15ドル(18時時点)まで、10日間で294.35ドル上昇したことになります。その間の取組高は、61270枚と総取組高から14.1%増加しました。この間、取組高が一番増加したのは②になります。つまり、②の水準で投機筋が大量に買い煽ったことになります。そのように解釈しますと、この水準が下値サポートであり、ヘッジファンドのストップロス目安になると予想します。

ただし、ヘッジファンドの手じまい売りが発動し下落したところは、再び買い場になる可能性があります。よって、下がらないようならば、FOMC以降まで買いは見送りとします。

【大阪白金】

 大阪白金は、堅調な動きを見せました。『金』ほどではないものの、FRBによる利下げ期待が相場をサポートしているように思います。9月10日はWPICプラチナレポートが公表されます。お客様には、見やすい表を9月11日朝に送信いたします。

 繰り返しになりますが、だからと言って、プラチナ現物価格が1400ドル、1500ドルと水準を切り上げるとは思えません。今は、市場『環境』と投資家『マインド』が良好であるため、下げ渋りを見せていると思います。

 私の考えでは、大阪白金6000円、プラチナ現物1350ドルを分岐点と考え、その価格以上で推移しているならば堅調な相場であり、価格以下で推移しているならば軟調な相場と判断します。

私自身、強気は一切していませんが、大阪白金6000円を上回ったことで、今は弱気もしていません。

 こちらのチャートは、プラチナスポット日足になります。赤い線は、1400ドルラインを示しています。ご覧いただくと、1400ドル以上で売り叩かれているのが理解できます。大陰線(陰線・緑色)は市場で売りが多かったことを示し、大陽線(陽線・赤色)は買いが多かったことを示しています。つまり、1400ドル台では、現物売りも出ているように思います。

【日経225】

 日経225は、今週末メジャーSQを控えているため、木曜日までは荒れる可能性がありますので、様子見とします。

 

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