アクシデントが無い場合と、有る場合を常に想定。18:00

 昨日、米国再就職仲介会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが、米国で10月に発表された人員削減数が15万3074人と、前月の2.8倍に急増したと指摘したことで、再び労働市場の減速を嫌気し、①12月利下げ確率が69.6%(前日62%)に上昇したことで、ドル円は一時的に153円を割り込み、②米株式市場はバッドニュースをそのまま受け反落しました。

 米国政府機関が未だ閉鎖しているため、民間の雇用統計が注目されております。ただし、5日・6日と労働市場の動向に左右されており、インフレに関してのデータが不十分であると考えます。

10月は、バッドニュースが利下げ期待によりグッドニュースに変換されていましたが、今回はやはりデータ不十分ということで、先月と異なり利下げ期待の反応が薄くなっているように思います。

 おそらく、先日も指摘したように、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーのCEOが、今後12~24か月以内に米株式市場が10%~20%下落すると予想したことも市場に警戒心を与えているのかもしれません。NYダウの10%~20%下落は4800~9600ドル下落(現時点で2.5%下げ)であり、ナスダックでは2400~4800ドル下落(現時点で4.1%下げ)になります。ちなみに、今年2月から4月の下落時は、NYダウ下落率18.7%、ナスダックは26.4%下落しました。

【大阪金】

 大阪金は20000円割れ、金現物価格は4000ドル割れが買い拾われやすいようです。

 現物価格の大台割れは、買いが集中しやすいのも当然だと思います。ただし、何らかのアクシデントが起こると、現物価格が3700~3800ドル付近まで下がり、大阪金は17000円台もあり得るため、万が一に備えておくのが良いでしょう。

しかも、先日もお伝えしたように、①内外で先物証拠金がアップ②日本取引所グループが純金ETFに対し注意喚起③市場が12月利下げと来年1回利下げをほぼ織り込みなどが、上値を抑える要因と考えます。

 相場が下がるか否かは自然現象ではありますが、上記で述べたように10月のような上昇は期待できないと考えます。なぜならば、10月は異常な相場だったからです。

 異常な相場ということは、私だけが言っているのではありません。ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーのCEOが株式市場について注意喚起していることと、日本取引所グループが純金ETFについて注意喚起していることが、異常な相場と言っているわけです。そうでなければ、注意喚起などしません。そこは、深く受け止める必要があります。よって、引き続き予想レンジを意識しながら、何が一の下落に対するイメージもしておきましょう。

 今月中旬は、ファンドの45日前ルールと大阪市場の10月限への乗り換え一巡する時期です。つまり、来週から再来週が重要な週に思います。

【大阪白金】

 大阪白金も金価格が堅調に推移すると、プラチナ現物価格も押し上げられ、底堅く推移しているように思います。ただし、先月から伝えているように、10月20日の大陰線を無視するわけにはいきません。あの大陰線が、相場を冷静にさせたように思います。10月の上昇相場は異常であるということを認識しておきましょう。

あのような相場が、常に起こるとは思わないでください。

 私は大阪白金が天井を打っていると判断しています。その理由としては、①内外で先物証拠金がアップ②日本取引所グループが純プラチナETFに対し注意喚起③中国が今月から付加価値税を導入したことなどが挙げられます。

 ①はボラティリティを抑えるための行動であり、②は相場への監視強化メッセージ、③は消費税と同じ扱いになるため、今までのように安いから買うといった行動が控えられると考えます。現に、中国は今月に入り、ほとんど買っていません。むしろ、国内で売る業者が出てくるようにも思います。

 よって、金同様、アクシデントがない場合と、アクシデントが起こった場合のレンジを意識した上で、ポジションを偏らせるのではなく、短期トレードをするのが良いと考えます。

【日経225】

 日経225は、再び50000円を割り込んできました。昨日の会員サイトでは、ストップロスを設定し、51000円台で試し売りを提案しました。ただし、短期トレードを強調したため、利益確定した方も少なくないと思います。

 売りを考える場合は、当然前日高値を意識しながら、自分が持てるリスク許容範囲で新規売りするのが良いでしょう。ロスカットは、終値ベースではありません。買う場合は、50000円割れを狙い、買値から500円以下でストップロスを設定するのが良いでしょう。

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