自分自身で相場の絵面を描きましょう。18:18

 お客様、会員様からお褒めのお言葉を頂き、誠に恐縮しております。ありがとうございます。

先日もお伝えしましたが、今週重要な報告をせざるを得ません。いつになるか分かりかねますが、当サイトでもお伝えします。

〈12月FOMCは①と②が重要〉

 本日から12月入りしました。先週末の段階で12月利下げ確率は87.6%(前日84.7%)と上昇しております。繰り返しになりますが、利下げは市場にとってプラス要因であり、利下げ後退は市場にとって圧迫要因になります。今回のFOMCは、①政策金利も重要ですが、②ドットチャートが公表されます。来年末の政策金利見通しが理解できます。ちなみに中立金利を3%とし、12月に0.25%利下げした場合は、来年2~3回が理想の形ではありますが、来年1回の利下げ見通しならば、FRBが利下げをしたとしてもタカ派的な動きが予想されます。

つまり、①と②がセットになると考えます。

〈植田日銀総裁の発言〉

 一方、本日10時過ぎに、植田日銀総裁が名古屋市の講演会で、金融政策決定会合について『利上げの是非については適切に判断する』と述べ、経済や物価が想定通り推移すれば『引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する』と述べました。経済データを確認した上で、政策金利を調整すると述べたことで、ドル円は155.40円近辺まで下押ししました。(若干のタカ派)

そして、14時の名古屋市での記者会見で、同氏は『不確実性は残存しているが、かなり低下している』との見解を示したことで、今月利上げの含みを持たせました。

個人的には、上手く市場と対話しているように思えます。

【大阪金】

 大阪金は、本日も堅調な動きを見せました。やはり、今月利下げ観測が強まっていることもあり、売る理由が見当たりません。

 本日、パウエルFRB議長の講演がありますが、ブラックアウト期間ということもあり、政策金利について言及はないものと考えます。今週は11月ISM製造業景気指数(市場予想49ポイント)、11月ISM非製造業景気指数(同52ポイント)の発表があり、市場予想を大幅に上回らない限り、利下げ期待は後退せず、金価格は底堅い動きになると予想します。

 FOMCの結果は、日本時間11日4時に判明するため、このまま堅調な動きをするのならば、FOMC前に一部買い玉を利食いしておくのも良いでしょう。

〈金の現物を買うプレーヤーは少なくない〉

 先週末も指摘しましたが、金の需要は中央銀行以外にも存在していることを忘れてはいけません。しかも、金価格が下落しないのは、インフレ=財政拡張によるものであり、それが180度変化しない限り、下落し続けることは考えにくく、修正安という見方を持って臨むのが良いでしょう。

とは言え、相場が大きく変動していることや、証拠金が増額し続けていることから、ある程度のリスクを意識しながら臨む必要があります。ノーリスク、ハイリターンの商品はありませんから・・・。

【大阪白金】

 大阪白金は、やはりアジア時間に堅調な動きをしております。

 こちらのチャートをご覧ください。大阪白金30分足になります。青枠は、中国・広州期貨交易所で白金先物取引が売買されている時間帯になります。27日からスタートし、28日、12月1日と3日目になりました。ご覧いただいてお分かりになる通り、上場初日は10時に大きく上昇しました。しかし2日目からは、日本時間から買いが入っており、3日目も『どうせ、中国時間で買われるだろう』との期待で日本時間から買いが入ったように思います。

そういった買いが多かった分、中国白金先物取引時間外では売りも出やすかったように思います。

〈今の白金相場を需給で理解するのは困難〉

 先週から中国で白金先物が上場したことで、白金人気が高まり、それが一巡しない限りは、見守るしかありません。中国市場での白金先物取引は、26年6月限、26年8月限、26年10月限の3限月しか上場していません。つまり、現物を手当てする際は、今までのように現物市場で買い付けるしかありません。その上海白金現物市場の出来高が激減しております。価格上昇と付加価値税導入が、中国現物筋の買いを抑制させていると考えます。

〈10月とは異なり先物市場が主導〉

 10月は、プラチナETFの上昇が目立ち、日本取引所グループから注意喚起が発令されました。つまり、ETF=現物であるため、プラチナ現物価格が堅調に推移しました。しかし、11月27日以降は、先物市場が上昇をけん引しております。と言いますのも、11月27日6時時点のNYプラチナ(先物市場)価格は1598.75ドルに対し、プラチナスポット(現物市場)は1589.6ドルと、約9ドルの価格差がありました。しかし、現在では15ドルに拡大しております。しかも、NYプラチナ価格は1703ドルまで上昇しております。

ただし、だからと言って、売る相場でもなさそうです。むしろ、今は突込みを買い拾い、ある程度の値幅を想定して利食いすることの繰り返しと考えます。しかしながら、必ず相場への線引きをしておく必要があります。(どの価格が相場の分岐点になるか明確に理解)

【日経225】

 日経225は、12月入りしたことや、植田日銀総裁の利上げに含みを持たせた発言などで、上値の重い展開になりました。しかし、考え方としては、会員サイトで述べた通りです。

ただし、万が一のことを意識しておきましょう。今は、中立的であるテクニカルですが、やはり48000円を下回ってきた場合は、下値を警戒すべきだと考えます。

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