何事も結果が全て。市場が偏り過ぎれば、危険のサイン。18:21

 先日から伝えておりますが、FOMCが重要イベントと考えています。今週からブラックアウト期間(中央銀行要人が金融政策の発言を控える期間)入りしたことで、大きな変動はないものと予想します。現時点での0.25%利下げ確率は、87%とほとんど動いておりません。市場は、利下げ期待が高まっております。そのことを覆すとするのならば、FOMCの結果のみと考えます。

 12月1日、ISM製造業景況指数が市場予想を下回り48.2ポイントと4か月ぶりに低下したことで、利下げ期待が高まり、ドル円は154円後半から156円前半まで反発しました。本日24時に、ISM非製造業景況指数の発表があります。市場予想は52.1ポイントであり、仮に市場予想を上回るようならば、再び0.25%利下げ確率が低下し、ドル円は155円前後まで下押しする可能性があります。ただし、冒頭で述べたように、結果が全てです。経済指標は、その結果を導く材料でしかありません。つまり、FOMC前に市場が偏り過ぎているのならば、結果後に巻き戻しの動きが予想されます。

市場ムードをチャックしておきましょう。

【大阪金】

 大阪金は、やはり21500円台が重くなっているように思います。ここで注意する点は、FOMCの利下げ確率が87%まで上昇し、金現物価格の評価が4210ドル±10ドルということです。もし仮に、0.25%利下げをしたとしても、残り13%分の買いしか予測できず、むしろ利下げをしなかった場合は87%分の失望が相場に反映します。

 そのように考えると、以前から述べている通り、今から買い進むのではなく、高くなったところは利益確定を意識しておくのが良いと考えます。いずれにしても、昨日の繰り返しになりますが、日本時間11日4時のFOMC前に、堅調な動きを見せているのであれば、買い玉を半分、若しくは3分の1程度利益確定するのが良いでしょう。

私がどう思うかではなく、世界の投資家がどう動くかが重要になります。

【大阪白金】

 大阪白金は、本日も軟調な動きを見せました。本日の中国先物市場を見ましても乱高下しておりました。最終的には、4.55元~6.35元(100円~140円)安でした。プラス圏で推移した場面もありましたが、結局2日間上値の重い展開になりました。中国先物市場の影響は、NY市場にも反映していると思われます。NY白金が堅調に推移するため、現物価格も堅調な動きを見せております。ただし、現物市場の動向が重要です。先物市場は、あくまでもヘッジする場であり、結果的には実需の動きがメインになります。

 中国先物市場の人気が一巡すれば、FOMC次第のように思います。どうしても、今の白金を強気しにくいため、このようなコメントになってしまいますが、仮にFRBが利下げをしなかった場合、失望売りが出やすいように思います。なぜならば、10月に世界のプラチナETFは3.11トン増加したものの、11月は1.4トン減少していました。しかも、中国実需筋は11月以降、ほとんど買っていない様に思います。11月に付加価値税13%が課せられたことで、仮に現物価格1650ドルならば、1860ドルにコストアップし、中国経済が好転したわけでもなく、このコストアップはいずれプラチナ価格の抑制につながるように思えます。

 唯一、下げない要因を考えるならば、やはり金価格の影響だと思います。今年に入り、貴金属市場のパフォーマンスが良好であるため、ポートフォリオに対する貴金属の比率が高くなっているように思います。それが、下げ渋りの理由に思います。

【日経225】

 日経225は、やはり50000円台まで戻してきました。昨日もお伝えしましたが、日銀による利上げ確率が82%まで上昇したにもかかわらず、日経225は49000円を割り込まなかったことが評価されたように思います。しかも、これも以前にお伝えしましたが、植田日銀総裁は上手に市場と対話しているように思います。利上げするような雰囲気を市場に与えているため、程よくガス抜きをしているように思います。

 昨年8月とは異なると考えます。昨年8月の下落は、7月30日~31日に日銀が0.25%利上げしたことから始まりました。市場は9月、若しくは10月の利上げを意識していたため、7月に利上げしたことがネガティブサプライズになったわけです。しかも、8月2日に発表した米雇用統計が市場予想を大幅に下回ったことで、米国経済悪化も意識され、世界的に大幅株安となりました。

ただし、そのことを教訓とし、上手く市場と対話しているように思います。このように市場が偏り過ぎずに、冷静を演じているのであれば、仮に利上げをしても昨年8月のような下落にはならないと考えます。

よって、繰り返しになりますが、50000円を軸とし、49000円~51000円レンジを意識しながら、買い玉利食いは自由、ロスカットは49060円以下と明確にしてトレードするのが良いでしょう。

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