NY金・白金共にきっかけ一つ!!!

 本日の東京金は、上値の重い展開となりました。上値が重かった理由は、ドル高の影響ですが、このドル高は先週末の米雇用統計を好評価したものと、米トランプ大統領発言によるリスクオフによるものです。先週末の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が20万1000人増と事前予想を上回り、平均時給は2.9%(前年比)上昇したことが評価されました。しかし、残り2回(9月・12月)の利上げがあるかは疑問です。米トランプ大統領は、中国の輸入製品に更に2670億ドル、いわば全ての中国製品に関税発動を示唆した発言をしたことで、市場はややリスクオフになったように思います。リスクオフは、円高・ドル高・ユーロ安の動きをします。

 先週末のコメントでは、ゴールドマンサックスやシティーグループが、投資家へNYダウ下落に備えるよう警告し、仮にそれが現実になりますと、今まで米国に資金が流入していた分、金へのリスク回避の買いが入ってくる可能性があると、付け加えてお伝えしました。実際、今のところはそのような動きにはなっておりませんが、米トランプ大統領が安易に中国へ追加関税を発動した場合は、その可能性が出てくると、私は予想します。

 さて、本日は、NY金・NY白金におけるファンド売りのポジションが、どのようになったら変化するのかを検証してみたいと思います。

以下のポジションは、1週間ごとのファンドの売りポジションになります。棒グラフが横ばいになっている場合は、売りポジションに変化はないという事になります。

NY金売りポジション⇦NY金におけるファンドの売りポジションのみになります。

 ファンドが下値を売り叩いたのは、5週前になります。8月1日~7日の一週間です。第二弾は8月8日~14日です。価格帯を見ますと、第1弾は1228.7~1207.4ドル、第2弾は1220.5~1193.9ドルを売り叩いております。そう考えますと、その価格帯を買切るような動きがない限り、ファンドは売りポジションを居座ることになるでしょう。ファンドの特徴としましては、これ以上弱材料が出ないと考えられた場合に、売りポジションを解消することでしょう。もし、それでも解消(買戻し)が不十分だった場合は、恐らく25~26日に開かれるFOMCで米国が利上げした後と予想します。米トランプ大統領が、中国の輸入製品に関税をかけることによって、米国内の物価が上がり、消費が落ち込む可能性があります。そうしますと、12月の利上げが見送られる懸念が出てきます。

 

 

NY白金売りポジション⇦NY白金におけるファンドの売りポジションのみになります。

 NY白金におけるファンドは、NY金よりも太刀が悪く、その分、上昇幅はNY金を上回ると予想します。どこが太刀の悪い相場かと言いますと、ファンドが売り叩いてきました6月18日~22日のNY白金価格帯は、892.3~857.6ドルになります。現価格との開きがあります。そのため、買戻しが入り難い状況ではあります。ただし、金でコメントしたように、ファンド売りポジションの解消がヒットしますと、恐らく、先ほどの価格帯を上回る値段が予想されます。そのため、NY金よりも上昇幅は大きいと考えております。

ここは、タイミングを計りながら、9月の安値を買い拾いたいと思います。

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