先週末の米雇用統計で市場予想を上回ったことから、テーパリングの現実化が再認識され、貴金属は大幅安となりました。中でも金価格は、NY市場で1750ドルが最大の下限と予想していましたが、その価格をあっさり下回りました。NY白金は960ドルまで下落しましたが、現在は980ドル~990ドルで推移しています。
大証金は、NY金価格が1750ドルを割り込んだため、各国中央銀行の金購入を材料に買っていたファンドの手じまい売りが、もうしばらく続きそうです。ただし、あくまでもテーパリングは今年3月に意識された材料であるため、その価格帯が下値支持線になると予想しております。つまり、NY金1650ドル~1750ドルのレンジ当面は意識されると考えております。
大証白金は、以前に指摘していたようにファンドの新規売りで価格を押し下げているようです。はっきりした材料は分かりませんが、中国の規制強化、中国国家備蓄の非鉄貴金属放出第2弾、コロナデルタ株世界的に感染拡大などによるものと考えております。先週末に公表したCFTC建玉明細は、8月3日時点のものであり、その後も3000枚以上新規売りしていると予想しております。つまり、ネットロングが5000枚以下に縮小している可能性があります。そうしますと、やはりNY白金で1000ドルを超えていかないと、ファンドのショートカバーは出てこないと考えており、ここは引き続き下値抵抗を確認しながら、買い場探しをしていきたいと思います。
本日は貴金属のコメントをしましたが、日経225、ゴムなどに関しましては、080-4653‐1005までお問い合わせください。