NYプラチナ市場における当業者の動向を理解しましょう。19:04

【大証金】

 大証金は買い方針ですが、数日間は上値が重いと予想。来月FOMCで、0.75%利上げ確率が93%まで上昇していることで、恐らくNY金から投資資金が流出していると思われます。そうなりますと、昨日も述べたように、NY金上昇期待ができず、円安に期待するしか、今の大証金は上昇しにくいということになります。大証金が上昇する場合、NY金の上昇は不可欠であり、円安のみである場合、上げ幅が相殺するケースがあります。よって、ここは逆張りの買い方針とします。

【大証白金】

 大証白金は、やはり昨日4月限3864円まで下落しました。先週からお伝えしてきましたが、大口投機家が8月限から2023年1月限に乗り換えており、しかも売りポジションを増やしていたことが、NY市場の上値を抑えていたように思います。正直、なぜここまで大口投機家(以降投機家と呼ぶ)が売り叩くのか理解できませんが、トレンドフォロー型の投機家にとっては、安価であるとか中国が買っているとか関係ないのかもしれません。まだ乗り換えは進んでおりますが、その枚数は減少しており、本日で終了するように思います。

 

 私の予想では2日前後、大証白金は上値の重い展開と考えております。基本は買いスタンスですが、正直今は上昇する形になっておりません。そのため、一つ一つ条件をクリアするしかありません。まずは、NY市場930ドル、大証市場3970円を超えて取引終了することが不可欠です。

 今週は、インフレ・景気状況を表す指標が目白押しとなっております。色々な見方があるので、一概に指標の結果=その後を予想することはできませんが、一つ言えることはインフレが鎮静化し始めているかが重要です。そうなりますと、FRBの過度な金融引き締めも緩め、株式・商品市場に買いが入りやすくなる思います。

 昨日、私は、大証白金の上昇要因を挙げました。その中で、大口当業者(以降当業者と呼ぶ)が買いポジションを増やしていることを挙げました。そのことを少し掘り下げて説明したいと思います。

 こちらのチャートは、NYプラチナ日足になります。赤い点線枠は、6月7日~21日の期間を表しております。なぜ、この期間なのかはCFTC建玉明細をご覧ください。少し脱線しますが、投機家動向はトレンド&方向性を示す指標、当業者は天底を見極める指標と分けて、私は判断してます。

 当業者のポジションを説明する前に、その特徴を理解しておきましょう。当業者は、基本アービトラージです。NY市場で買っているならば、他市場で売っております。例えば、投機家が売り叩くと、そこに他市場と比べ割安が生じます。そう言ったところを狙う手法です。つまり、大きな利益を狙っているわけではなく、損をしない取引を行っているということになります。

 次に、投機家が売りポジションを増やした場合、当業者は買い向かうことがほとんどです。しかし、その選択肢としては、売りポジションを減少させるか、若しくは買いポジションを増加させるということになります。仮に、前者の場合ですと、売りポジションを減少させる、すなわち利確をしていることもあり、下値不安はあります。そのことを踏まえて、お伝えしたいと思います。

 CFTC建玉明細をご覧いただける方は、そちらを確認しながら、私のコメントをご覧ください。6月7日以前は、NYプラチナが上昇したことで、当業者は買いポジションを利確してました。その後、価格が下げ始めたため、買いポジションを増やしたことになります。チャートをご覧いただきますと、6月7日から21日に、当業者は買いポジションを1664枚増加させ、売りポジションを1681枚減少させております。言ってしまえば、途転買いというポジションの取り方ですね。

 6月22日以降も恐らく、投機家は売りポジションを増やしていると予想しているため、当業者は更に買いポジションを増加させたと思います。つまり、今のNYプラチナ価格は、底値圏に突入していると判断しております。ここから上昇するかは、投機家の買戻しによるものです。現時点で、限月乗り換えの売りポジションが評価損になり始めております。私の予想では、930ドルを上回るとまとまった買戻しが入ると思います。

引き続き、今後の動向に注目したいと思います。

 

 日経225に関しましては、会員サイトをご覧ください。買い方針は、的中しました。

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