米CPIの結果は、前年同月比9.1%上昇(市場予想8.8%上昇)でした。米CPIコア指数は、同5.9%上昇(同5.7%上昇)でした。それぞれ市場予想を上回りました。
この結果により、ドル高、米長期利回り上昇になり、金融引き締め観測から金融商品全般上値の重い展開となっております。
恐らく市場は、今月FOMCで1%利上げを織り込み始めているように思います。
昨日は、ドイツのZEW景況感が市場予想を大幅に下回ったことや、上海市コロナ感染拡大により、世界的な景気悪化が嫌気され、ユーロ安ドル高となり、NY貴金属市場の圧迫要因となりました。しかも、OPEC月報で2023年から世界の石油需要が落ち込むとの見方を公表したことで、原油、銅価格が大幅安となり、更にNY貴金属市場の下値を切り下げることになりました。
特に、工業品需要を9割占めるプラチナにとっては、売りが売りを呼ぶ動きになりました。
NY金、NYプラチナ共に大口投機家は、売りポジションを増やしております。一方、短期は別ですが、中期的では売られ過ぎの領域に突入しております。そのためNYプラチナの同筋ネットショートが、拡大していると予想します。今回の米CPIの結果を受け、FRBの景気悪化してもインフレを抑制するために利上げを行うとの強硬姿勢が、もうしばらく上値を抑える要因になりそうです。短期的では、仮に反発したところでは、売りの意識を持って対処するのが良いでしょう。