昨日のトウモロコシ需給報告は驚きの数字でした。
昨日コメントしましたが、作付けが83%しか進んでおらず、作柄良以上が59%であることから、単収が前月比10Bu下方修正すると予想しました(会員サイトにて)。結果予想通りに166Buの単収を米農務省が出してきました。しかし、驚きの数字は作付面積も下方修正してきたことです。3月末の作付け意向面積では9280万エーカーと、前年に比べ370万エーカー増加しましたが、今月の需給報告で8980万エーカーに修正してきました。 ただし、今月末に発表されます作付け推定面積では、更に下方修正される可能性もあります。もしくは、収穫面積が修正される可能性があります。
と言いますのも、今回作付けが遅れているとはいえ、前年を上回った作付面積を出してきております。仮に今の段階で作付進捗率が83%ならば、7700万エーカー分しか作付けを終了しておらず、このままでいきますと8500万エーカーの作付面積になるかもしれません。しかも、通常、91.4~91.6%の収穫面積であるため、来月の需給報告では400万エーカー更に下方修正される可能性も残っております。そのため、まだ強材料を完全に織り込んでいないと考えるべきでしょう。
とはいえ、今回の作付け遅れは、恐らく意図的なものを感じます。米国政府は、米農家に対し第2弾の支援策を打ち出しました。その支援策の条件としましては、穀物のダメージの評価を基礎にするものです。それに対し、作付け放棄面積も対象になるとの憶測も出ております。その条件ならば、作付けを無理に行わなくても良いということになります。
ただし、作付放棄、作付け遅れによる単収減少などの材料は完全に織り込まれていないものの、ある程度は価格に反映されているように思います。しかし、天候によるダメージはまだ織り込まれておりません。つまり、ここからの上昇は、天候懸念によるものと考えています。なぜ天候懸念が織り込まれていないかと言いますと、降雨の影響で作付けが遅れていると言われていましたが、土壌水分は適量であり、全く問題ありません。先ほども言いましたが、意図的な作付け遅れと考えるべきです。今回の上昇が、政治的上昇であるのならば、さらなる高値も出現すると予想しています。そのため、安易には売らない方が良いと考えます。ただし、天候懸念(リスク)によりシカゴコーン価格が上昇した場合は、もちろん売りも考えていきます。
その時期は、来月以降になると予想しております。
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