私は、今年1月中旬以降のシカゴコーンが3.6ドルを超えたことから、この時期に4ドル越えはないと考え、売り方針としてきました。東京市場では、22000円を乗せてから売り指示をしました。結果的に、2月17日に23520円まで上昇したのち、4月24日には20830円まで売り込まれることとなりました。20000円台では弱気してはいけないとし、戻りを待っての売り方針をお伝えしてきました。本日の終値は22310円と30円高。
再び、22000円台乗せてきているため、売り方針としますが、本日日本時間10日午前1時に米農務省から新穀の需給報告があることから、前回のコメントではその前後の価格に注目していきたいと述べました。
基本は、売り主体で見ておりますが、どうもしっくりいきません。一つは、シカゴコーンの取組が減少、価格上昇しているにも拘らず、ファンドのネットショート(売り越し)は、あまり減少していないという事です。お客様にもお伝えしておりますが、天候相場は買いだけではないという理屈が合わなくなります。私は、米産地で天候不順がなければ、大きく売られる大相場に発展する場合もあると考えております。そのための条件としては、4月前後に天候相場へ期待して買うファンドのポジションにあります。期待して買うファンドのポジションなのです。ただ、今はどうでしょう。70000枚以上のネットショートになっております。もう既に、豊作を見込んでのポジションなのでしょうか。そうであれば、4月~7月のちょっとした悪天候で反発しやすくなると、考えなければなりません。
もう一つのしっくりいかない点は、本日の需給報告の事前予想が甘すぎると考えております。2017-18年度(新穀)の期末在庫事前予想は21億1100万Buです。前年度期末在庫は、23億2700万Buより2億1600万Bu下方修正されるとの予想。これは当然のことです。前年度より作付面積が400万エーカー減少していることから、前年より減少することは理解できます。生産高予想は142億400万Bu(前年度151億4800万Bu)と大幅下方修正の見方となっておりますが、期末在庫20万Bu以上が多いか少ないかになります。生産高142億Buが多いか少ないかになります。私の計算では、単収予想は172.7Buとなり、この数字は既に豊作の数字になります。こうなりますと、米農務省の報告内容が、いずも若干増えたところで、大きな暴落はないと考えております。むしろ、下方修正した場合は、シカゴ市場における売り方ファンドのシュートカバーが出る可能性も否定できません。
という事は、22000円以上で売りをワンポジションお持ちの方は、もう少し引き付けて売るのが良いでしょう。
因みに上記の地図は、米国産とのレーダー画像になります。昨日、作付進捗率47%と5年平均52%を下回るものの、急ピッチに作付が進んでいることが理解できます。実際、今現在もまばらな降雨しか観測できていないため、天候には問題ないことが分かります。
※会員募集中。2週間無料になっておりますので、お気軽にご参加ください。