東京トウモロコシは、売りスタンスで考えていきたいと思います。昨日の米農務省の需給報告では、やはり事前予想を上回る内容でした。今回の事前予想は、意外にも若干の上方修正。しかし、作付面積が6月末に8980万エーカーから9170万エーカーに増加したことが、今回期末在庫大幅増加につながったように思います。
昨日のシカゴコーンは、小麦高と来週からの産地のホット&ドライ予報で上昇しました。今月は受粉期にあたり、一番ホット&ドライが懸念されるところ。ただし、今の品種改良された種はホット&ドライに強く、生産高減少にはつながりにくい。しかし、このことを材料とし、ファンドが買いあおってくることでしょう。
先月までは、作付け遅れを懸念し、作付面積放棄を材料にファンドが買い、その為、シカゴコーンは上昇しました。しかも、作付けが遅れたことで、作柄悪化が目立ち、さらにファンドが買いあおり、シカゴ市場は上昇し続けました。しかし、6月末の作付け推定面積で、6月11日需給報告の作付面積(作付け遅れにより米農務省が、前月よりも下方修正)よりも190万エーカー上方修正されたことから、作付け遅れ&作付け放棄懸念が後退しました。この時点で、なかなか売りにくかった理由としましては、まだ7月受粉期においての天候懸念が出てなかったことです。それが、今回ようやく出てきました。材料が出そろってきたことになります。強材料が出そろいますと、それに勝る材料がなくなるため、今度は弱材料に反応しやすくなるということです。
しかし、このまま下がるとは思えません。と言いますのが、今現在の作柄良以上57ポイント、劣以下12ポイントは、今月いっぱい変化はないと考えています。そうしますと、市場は単収165Bu前後を意識し、これ以上期末在庫が増えないと考えることでしょう。むしろ、ホット&ドライにより、更に単収が下方修正されるのではと予想することでしょう。ただし、冒頭で述べましたように、ホット&ドライは材料としては申し分ありませんが、実際生産に対する影響は限定的なものと考えております。
なぜ、作柄状態が変化しないかと言いますと、恐らく、今回の作柄悪化は以前にコメントしましたが、米政府による穀物農家への支援策が影響していると考えます。米国政府が、米中貿易摩擦により大豆農家経営破綻を受け、第2弾の支援策を出すことを決定しました。支援策を受ける条件としましては、穀物のダメージの評価を基礎にするものです。そのため、穀物の作柄悪化=支援金獲得といったシナリオが想像できます。よって、今月いっぱいは作柄が改善されることはないでしょう変化がないでしょう。
ただし、来月中旬にはクロップツアーがあり、調査会社が直接畑に入り確認するため、思ったよりも作柄が悪化していなければ、相場は売り叩かれることになるでしょう。そのことを見込んでの売りを考えていきたいと思います。
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