東京白金、強弱まちまちな材料。

 本日、貴金属市場は大幅反発となりました。金が上昇した背景には、昨日発表された1月の米消費者物価指数(CPI)統計で、総合が前月比0.5%上昇した一方で、1月の米小売売上高は前月比0.3%減となったことから、インフレ懸念が台頭し、貴金属の上昇を招いたようです。ただし、昨日金のコメントでお伝えしたように、テクニカル指標も既に売り叩きにくい状態であったと思います。

 続いて、本日のコメントは、東京白金。本日の東京白金は、金・パラジウム上昇により、つれ高したように思えます。昨日、英国ジョンソン・マッセイ社が発行した最新版の「PGM(白金族金属)マーケットレポート(2018年2月版)」によりますと、17年のプラチナ需給バランスは3・4トンの供給過剰となった見込みです。前年は6・3トンの供給不足でしたので、昨年は需給が緩和したようです。ただし、18年のプラチナ総需要はガラス業界でのプラチナ購入量の増加が中国の宝飾需要の減少と、欧州のディーゼル車部門の縮小による需要減少分を上回り、全体では前年同期を上回るとみているため、期待感で買われたようです。しかも、17年のパラジウム需給バランスは19・6トンの供給不足となり、前年の3・3トンの供給不足から不足幅が拡大し、18年も大幅な供給不足が継続すると予測していることも、白金の支援要因になったようです。

 それならば、今後更なる高値が期待できるかになります。本日、東京白金の上昇には、もう一つの要因があると考えております。それは、南ア・ランドの存在です。南ア・ズマ大統領の退陣要求が出ており、本日協議する模様。政権不安や、新政権誕生などの賛否両論な意見がありますが、本日のところ市場はポジティブに反応しているようです。しかしながら、1ドル14ランド半ばまで下落したものが、11ドル台まで短期間で上昇していることを考えますと、更なる上昇を見込むのはかなり無理があると考えます。ドル安が、南アランド高を招いていると思いますので、仮にドル安一服しますと、NY白金は再度売られることでしょう。しかしながら、安値を売り叩く相場ではないため、今は上値重く、下値浅いと考え、価格を意識するのではなく、値幅を意識してトレードするのが良いと考えます。

 よって、ここからは売り方針とします。

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