円安・海外下値限定。ならば、相場は!?18:12

【先週から今週にかけて】

先週末の米雇用統計は、ご存じのように、非農業部門雇用者数が39万人増加(市場予想32.5万人増加)、平均時給は前年比5.2%(同5.2%)という内容でした。私自身、平均時給が前月の数字を下回ったことでインフレピークが意識され、FRBの過度な金融引き締め策が後退すると考えていましたが、市場は非農業部門雇用者数が予想を上回ったことで、労働市場堅調により金融引き締めペース継続との見方が強まり、米長期利回り上昇・円安の流れとなりました。

 しかも、メスター米クリーブランド連銀総裁(FOMCメンバー、タカ派)が、秋までにインフレが低下しないようならば、9月会合で0.5%の利上げを支持するとの発言もしており、依然として強力な金融引き締め姿勢を崩していないようです。

 

 今週末は、重要指標があります。9日のECB理事会と10日の米CPIです。7月にECBは利上げの意向を示しており、今月の理事会で0.25%なのか、それとも0.5%の利上げを予定しているのか、なんらかのヒントが出るのではと言われております。0.25%利上げは、すでに市場は織り込んでおりますが、0.5%利上げならばユーロ高・円安の動きが更に継続すると予想します。ECBもインフレを抑えるために、ユーロを高くする必要があるようです。

もう一つの米CPIは、市場予想が前年同月比8.3%(前月8.3%)となっておりますが、コア指数が同5.9%(同6.2%)であるため、市場予想を下回るようであれば、インフレ懸念後退ということも考えられ、金融引き締めペース鈍化の見方も浮上するように思われます。

いずれにしても、この2日間の指標・数字が重要になります。

【大証金】

 大証金ですが、基本買い方針です。先週末公表したCFTC建玉明細を見ますと、やはり大口投機家の買いポジションが269,459枚と270,000枚を割り込みました。昨年7月から見ますと、買いポジションが270,000枚を下回ったのは一回もありません。しかも、これだけ金融引き締め策を強化しようとしている中、米長期利回りが高値圏を維持しているにも関わらず、NY金1800ドル半ばで推移してることを考えると、むしろ強力な金融引き締め策が後退した場合、投資資金がNY金へ回帰することも予想できます。

ちなみに、相場のサプライズは、片一方へポジションが偏り、そのポジションと異なる材料が出た場合生じる相場変動になります。つまり、これだけ買いポジションが減少しているということは、既に強力な金融引き締めを相場が織り込んでおり、NY金にとって多少のマイナス材料が出たとしても、下値は限定的と予想します。

【大証白金】

 大証白金は、先週末のコメントを参照してください。私自身、大証白金は強気一環です。何度か騙されましたが、相場には騙し、騙されは付き物です。自分が描いていたゴールまで、そのポジションを維持できるかが重要になります。再度精神論の話になりますが、この相場が4500円や4700円を超えた場合、正直買いにくくなります。その水準でも新規買いをすることができるのは、下値の買い玉の存在が大きいように思います。その買い玉を残していることにより、買い増しができるということになります。大相場を狙うには、当然リスクは付き物です。

 先週末公表したCFTC建玉明細を見ますと、大口投機家の買いポジションが若干増加しておりました。しかし、そのポジションは5月31日までのものであり、今回の上昇は反映しておりません。しかし、その後のNYプラチナ取組を見ますと、2000枚近く減少していたことから推測しますと、売りポジションの買戻しと新規買いが入ったように思えます。そのため、1000ドルが下値の目安になると予想します。ただ一つ気になるのが、現物価格よりもNYプラチナ価格の方が1ドル~2ドル割高になっていることです。これはNYプラチナが強気相場入りした意味がある一方で、割高が更に拡大すると現物の売りが出やすくなります。今後の動向に注意したいと思います。

 

 日経225は、予想していたように28,000円を上回ってきました。こちらの内容は、会員サイトをご参考にしてください。

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