東京トウモロコシ買えない理由!?

 トウモロコシは、米産地での作柄遅れや米中の貿易摩擦懸念、原油高・円安などを背景に、シカゴ市場は4ドルを維持、東京市場は高値更新しております。本日は、ここまで上がると思っていなかった東京トウモロコシ、今後を占う意味で、テクニカルとファンダメンタルズで相場を分析したいと思います。まずは、テクニカルで見ていきたいと思います。

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 東京トウモロコシは、昨年12月から上昇を続けております。原油高や、南米の天候による生産減が懸念され買われ始めました。その上昇過程で、お気づきになっている方もいると思いますが、25日移動平均線に沿って上昇しております。因みに、上段は、5日、25日、200日移動平均線です。中段は、14日RSI。下段は、25日移動平均線との乖離になります。中段を見て頂きますと、高値更新していますが、RSIは逆行(指数は下がっている)になっております。下段の乖離率は、25日移動平均線から4~5%乖離しているのがお分かりになると思います。相場が売りに転換したと断言はできませんが、買われすぎの状態である事には違いありません。

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 次にファンダメンタルズです。2010年~1018年5月までの内外の月足チャートになります。なぜ、このようなチャートを掲載したかと言いますと、今の期末在庫が、市場が思うように強材料として考えなければいけないのかという点から、過去の価格帯を出してみました。今月10日に発表されました期末在庫は、16億8200万Bu。単収は、174Buと前年に比べ下方修正でした。

 ご覧いただきたいのは2014年度になります。2014年度の数字は、2014年5月9日に発表されました。(以下、期末在庫と単収のみの比較とします。)前年度は、期末在庫が11億4600万Buと低水準だったため、2014年度の新穀の期末在庫が17億2600万Buと上方修正したことにより、一気にシカゴコーンは5ドル台から4.65ドルまで下落しました。6月11日の需給報告で単収・期末在庫ともに据え置かれましたが、4.22ドルまで更に売られることになりました。7月11日の需給報告では、飼料用需要が減少したことにより旧穀(2013年度)の期末在庫が増加、新穀(2014年度)期末在庫は18億0100万Buになり、一気に3.56ドルまでシカゴ市場は売られることになりました。これが、2014年度の天候相場です。因みに5月~7月の需給報告では、単収は据え置いておりました。

 

 今回はどうでしょう。やはり、前年度(2017年度)の期末在庫が21億8200万Buであったため、5月10日に発表されました2018年度の期末在庫16億8200万Buはインパクトが強かったのかもしれません。ここで、私は学習させられました。しかし、単収は174Buと、前年度の176.6Buを大きく下回ったことから、仮に単収が前年度と同じ176.6Buまで上方修正されますと、需要に変化がない場合は2億1000万Bu期末在庫が増えることになります。そうしますと、期末在庫は16億8200万Buから19億Bu近くまで上方修正されることも予想できます。19億Buまで上方修正されますと、過去の価格帯から見ましても3.5ドル前後まで売られても不思議ではありません。

 

 その可能性はあります。今月の需給報告は、作付遅れ懸念から米農務省は過小評価をしたと思います。しかし、今現在では天候が回復し、作付進捗率は昨年と変わらない数字。しかも、今現在では大豆との比価が、2.75から2.5まで縮小しており、米農家は大豆よりもトウモロコシの作付を増やす可能性もあります。この時期の価格差は、米農家も気にするところでしょう。

 

 よって、今の4ドル台は、既に天候懸念を織り込んでおり、昨年よりも発芽や作柄が良好であれば、ファンドの買いポジションの整理が出てくると考えております。

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